おまとめローン(2019.3.27)

世の中、不合理なことだらけです。茨木太陽は、そんな所を照らし出し、世に訴えたいと思います。ぼやき漫才 人生幸朗さんが如く、茨木太陽がぼやきます。「ばか者!!責任者出てこい!!」
えっ!!人生幸朗(じんせい こうろう)さんをご存じない…。昭和漫才の大御所です。是非、YouTubeで検索ください。知らなきゃ損。
さて、本日は…

皆さん、聞いて下さい。大手銀行は、街金より質の悪い悪行を平気で行うところがあります。それは、「おまとめローン」です。
 私は、昔からこの運用の問題点を指摘してきました。おまとめローンをすることにより、債務者、消費者金融や街金から借りていた頃より、更なるどん底に落とされてしまうのです。そのどん底は、急落というものではなく、緩やかな傾斜になっており、銀行の指示に従った結果、知らず知らずに引き返せないどん底に導かれています。
 私が思いますに、① 無担保から有担保に切り替えが行われる ② 利息制限法引き直しの機会を失わせる
という点で、おまとめローンは大問題なのです。
先ず、①の有担保切り替えについて
 年率18%超の高金利から年率10%弱(9.8%とかスーパーの安売りみたいな中途半端な数字が多い)に切り替えませんか?と甘ーい誘いをかけます(「こっちの水は甘いぞ」)。無論、支払い能力に疑念があるような人には持ちかけません。甘ーいお誘い(CM)に寄ってきた多重債務者から仕事、財産、親族状況の聞き取りをします。そして、コイツはカモだと思えば、田舎の実家を担保に入れさせたり、親を保証人に立てさせたりするよううまく誘導がなされます。しかし、誰でも親に頼み込むのには躊躇してしまいます。しかし、銀行さんはプロです。提灯アンコウの如く、目くらましの光を投げかけます。よくある手口として、20年とか長期の返済プランのに誘い込むのです。毎月、15万円位払ってきた多重債務者に、毎月4~5万円の返済プランを示すのです。「流石、大手銀行さんだ、サラ金や街金とは違う、神様~」という感じで飛びついてしまうのです。返せると思っているので、親も子供を信じて「子供のためなら・・・」と子供の頼みに応じ、差し出された書類に判を押します。毎月15万円払ってきた多重債務者にとっては、5万円程度なら大したことないと錯覚に陥ります。実際は、今まで、多額の債務を支払いできてきたのは、他に借りることができたからに他なりません。このようにして、毎月の支払いが減った(金利が減った)ことで、確かに支払いは、一時的に楽になったような気になります。
 しかし、多くの多重債務者は、お金の管理ができない状況(性格もあります。既に、ノイローゼ状況の時もあります)にありますので、やはり、少額の資金不足に陥ります。すると、おまとめローン前の貸し主から、またまた、甘いお誘いがあります(「お助けしますよ~」)。一旦、無担保貸付け枠がおまとめローンによりゼロとなっていますので、金融業者から見ると新規客と同等真っ白なキャンパス状態です。
 こうして、再び、借入額が増えていくのです。金利が、多少低くなっているので、ジワジワと借金が増え、支払いの限界値に達するまで、時間がかかります。払えなくなって、優しかった銀行さんに相談します。銀行さんはここで、豹変します。「〇〇までに絶対はらってください。」しかし、この段階では、サラ金の様に取り立て厳しくありません。放っておくと、「滞納で、期限の利益喪失しました、全額払って下さい。そうでないと担保実行します」と弁護士名で通知が来るのです。金額を見てびっくり、僅かしか元金減っていません(私が、最近経験した案件では、580万円20年ローン、金利、9.8%毎月56000円、5年経過して、支払い総額400万円超で、なんと元金は、40万円しか減っていないのです)。そうです、銀行さんは、元々、金利という果実(法律用語でも金利は「果実」なんです)を実らせる大事な果樹として多重債務者を見ていたのです。言い方を変えれば、「百姓は、生かさず殺さず」(徳川家康談)、ああ恐ろしい。
 親戚まで巻き込んで、お金をかき集め、返済することになります。借りられる当てがあればいい方です。まとまったお金が用意できない場合、すぐに、競売にされるかというとそうでもありません。実家の親に支払いを継続すれば、競売実行しませんよと持ちかけます。甘ーい言葉で契約の書き換えを持ちかけます。その時、更なる保証人を要求したりします。銀行さんは、担保がある限り、一括返済より、今までどおりの返済の方がいいのです(「生かさず殺さず」)。
 この段階で、主債務者が自己破産して、借金がゼロになると、年金生活の親には迷惑をかけられないと、親が払うおまとめローンを実際は、本人が肩代わりして支払いを継続します。そうすると、双六で言えば、「ふりだしに戻る」です。また、生活費不足に陥り、今度は、ヤミ金にまで手を出してしまいます。更なるどん底に入り込むのです。ああ、恐ろしや。

 ②、金利引き直しの機会の喪失について
 銀行さんは、おまとめローンの時は親切です。借入先とコンタクトを取り、借入先へ直接払い込みをしてくれます。借入先が高金利であろうと銀行さんの知ったことではありません。お約束のお金を支払うのは当たり前。金融業者は、縄張りは違えども案外、皆仲好しですね(「同じ穴の狢」)。
 本来なら、過払いがあったり、債務が大幅に減るのに、そんなのお構いなしです。消費者金融、街金から銀行名義の借金に変更されます。私に言わせれば、「非合法の合法化」、一種のマネーロンダリングです。
 この段階で、元の債権者に対して、過払金が発生するわけですが、「金を払わない」と「金を返せ」どちらが楽か、誰が考えても答えは同じです。過払いの回収は、極めて難しくコストがかかります。時効の問題もあります。多くが、泣き寝入りです。

 ③ もし、おまとめローンを利用する前に、弁護士に相談に行っていれば、どうなっていたのでしょう。
  通常の弁護士ならば、破産や個人再生を勧めるでしょう。親に担保差し出させるなど論外です。
  しかし、悪徳、司法書士、弁護士ならば、債務整理を指導し、たっぷりと手数料を稼ぎます。
  私は、このぼやきコーナーで何度もぼやいているとおり、「生かさず殺さず」の銀行と同じ発想です。ああ恐ろしい。

私は、人生行路師匠ばりに声を大にして言います。「ばか者、責任者出てこい!多重債務者は、めんどりか?卵産ますだけ生ませといて…、産まなくなったら、首チョンパで、鍋行きかい!」「えっ、骨からええ出汁でるって!?」「ええ加減にせい!!」

家庭裁判所で女性が刺され死亡した事件について(H31.3.20)

 東京家庭裁判所で、離婚調停に出席するため訪れた女性が調停相手の夫に首付近を刃物で刺され、死亡する事件がありました。
 東京家庭裁判所は、裁判所の合同庁舎の入口に入った所で、所持品検査をしています。
裁判所の所持品検査は、元々、オウム裁判が始まった頃に東京地方裁判所で始まり、現在、所持品検査をする裁判所は、徐々に増えています。大阪家裁、京都庁舎も今年4月から所持品検査を始めます。
 所持品検査が必要かについては、いろいろ議論があるところです。確かに、裁判所というのは、いわば、敵対関係にある人を間近に接する機会があるところです。警察や拘置所に入って、手の出せない被告や普段身を隠して居所のつかめない憎き相手が眼の前に現れます。裁判所内で刃傷沙汰もめったにありませんが、現実にあります。
 しかし、膨大な予算を使って行う手荷物検査でどこまでの効果が得られるかという点について疑問があるところです。必要性の点では、全国津々浦々の裁判所に手荷物検査をする必要性があることになりますが、現実的ではないこと明らかです。
 また、手荷物検査が始まると、予算やスペースの関係上裁判所の入口が限定されるようになります。京都弁護士会は、手荷物検査検をすることで、入口が特定され、DV被害者が危険に晒されることを危惧する意見を発しています。
 今回の事件は、まさに、京都弁護士会の危惧していたことが起こってしまった感があります。家裁での調停では、当事者の直接の接触を避けるため、来る時間、帰る時間に時間差を設ける運用がなされています。今回の事件の様に、裁判所外で待ち伏せされるようでは、所持品検査など役に立ちません。 合理性を判断するには、目的と手段の正当性を考慮する必要があります。
 私は、裁判所内での刃傷沙汰防止という目的は、正当にしても、手荷物検査は、合理性のある手段には思えません。裁判所は本来危険な場所ではないのです。膨大な予算を注ぎ込むことには疑問です。むしろ、裁判所利用者が、遠慮なく、裁判所の意思疎通を図り、具体的事案に即した対策を取れるような環境にすることが肝要と思います。

訴訟前は八掛けって何?(2019.3.2)

世の中、不合理なことだらけです。茨木太陽は、そんな所を照らし出し、世に訴えたいと思います。ぼやき漫才 人生幸朗さんが如く、茨木太陽がぼやきます。「ばか者!!責任者出てこい!!」
えっ!!人生幸朗(じんせい こうろう)さんをご存じない…。昭和漫才の大御所です。是非、YouTubeで検索ください。知らなきゃ損。
さて、本日は…

 皆さん聞いて下さい。サラリーマンの世界は、時に、理解しがたい行動が伴います。
 先日、某保険会社さんとの示談交渉を勧めていたのですが、弁護士相手に低い提示額が最初に提示されるのは、まあ、お決まりのパターンなので、気にも留めないのですが、結局、裁判所基準の80%というところで、交渉は、暗礁に乗り上げました。当方も、裁判所基準も絶対なものではなく、幅があるので、ある程度幅を持たせた交渉でした。
 しかし、「裁判では無いので、これが限界です」との一点張り(裁判前なので、お互い譲歩という理屈でしょう)。
 このような戦法も戦略的にはあることは、理解できます。特に、弁護士特約が無い場合、有効な手段です。牛歩戦術、薩摩の捨て奸(すてがまり)戦法に比する時間を武器とする戦法です。被害者も費用対効果を考えれば、諦めた方が得策ということにもなりえます。
 他方、裁判となれば、相手保険会社にも弁護士コストが発生します。訴訟解決は、多くの場合、裁判所基準で、弁護士費用、遅延損害金も加算されます。加えて、今回、弁護士費用保険特約の保険会社と相手方保険会社と同じなんです。裁判すれば、弁護士特約上、着手金の加算が認められますし、訴訟に要する費用、交通費等も同じ保険会社からの支払いがなされます。
 このように「裁判してみろ!」的な態度は、実際に裁判になった場合、相手方保険会社に大きなコスト増を招きます。
 無論、14級レベルの訴訟では、弁護士に取っては、弁護士特約上認められる費用UP額はたいした金額ではありませんし、解決までの時間を考えれば(一気に半年以上の解決が遅れる)、被害者にとっても悩ましい限りです。どちらが折れるかチキンレースの世界です。
 私は、コスト関係無しに、保険会社も戦わなければならないケースはあると思います。
当たり屋事件や事故が軽微で、請求の根拠が疑われる詐病事件です。しかし、今回の案件は、事故もそれなりの規模ですので、敢えて、詐病を疑う事件とはいえないと思います。機械的に「訴訟前なので…」という態度を貫くのは如何なものでしょう。
 もちろん、コスト重視の法律事務所系ならば、この種の防御姿勢は有効です。
 しかし、太陽は違います。法律事務所も舐められたら、終わりとの信念を持っています(ヤクザじゃありませんが…)。コスト無視で戦います。この態度を続けてきたから、当事務所は、裁判無しに、スムーズに裁判基準での解決が図られているのです(過払い事件でも、大手であるのに全額回収が困難なア〇〇〇でも、多くの場合全額回収に至っています)。
 私は、人生行路師匠ばりに声を大にして言います。「責任者出てこい!」「相手みて戦術考えなはれ!」