このコーナーでは、阪神タイガース所属選手の契約交渉代理経験が豊富な黒田弁護士が、阪神タイガースやプロ野球に関する小ネタをご紹介しています。今日は、3軍制度に関する小ネタです。

3軍制度

昨年…90勝49敗4引き分け、2位・日本ハムに12ゲーム差で圧倒的な強さでパシフィック・リーグのレギュラーシーズンを制したのはソフトバンクでした!

今回はソフトバンクの圧倒的な強さの秘密に迫ってみましょう…

プロ野球選手会によると、ソフトバンクの支配下登録選手(59人=外国人を除く)の平均年俸は5798万円。これは巨人の6893万円に次ぐ球界2位の金額です。

他球団で実績のある選手を高額な年俸で獲得しています。戦力補強に資金を投入していることが優勝につながったことは間違いないがですが、それだけでは片付けられない要因がこのチームにはあります。

それはプロ野球界唯一の「3軍制度」による、育成システムの構築です!

プロ野球は「支配下選手登録」という制度があり、1軍の公式戦に出場できる選手の上限が70人と決まっています。2005年から「育成選手制度」ができ、育成を目的とした支配下登録を目指す人材を獲得できるようになりました。

そこで2011年から「3軍制度」を立ち上げました。ちなみに、広島東洋カープにも組織上、「3軍」があるが、これは主にリハビリ中の故障者が所属する。現在、3軍単体で試合を行なっているのはソフトバンクが球界唯一です。

ソフトバンクの3軍は、2軍の「ウエスタン・リーグ」のような公式戦はなく、シーズン中は国内独立リーグ、社会人、大学、韓国プロ野球といったチームと「非公式戦」を年間70~80試合戦います。

プロとはいえ、主に育成選手や20歳前後の若手が中心のチームだけに、戦績は決して良くありません。2011年の3軍発足時には、いきなり大学チームに連敗し、3戦目の福岡大戦でようやく初勝利を挙げた。この試合で3軍の主軸として2本の本塁打を放ったのが、当時ルーキーだった柳田悠岐。昨年は打率.363、34本塁打、32盗塁と「トリプルスリー」を達成した柳田も、かつては3軍でプレーしていたことがあったんですね~

では何故3軍制度は理に適っているのでしょうか?

理由は可能性を秘めた選手を1人でも発掘しようとする企業努力が柳田選手の様なスーパースターが生まれるのではないでしょうか?

他球団で2軍の試合でも出場機会が限られドラフト上位指名の選手でもチャンスは多くはありません!そもそも二軍の試合数が少なく、一軍枠25人から外れた支配下登録選手は、45人(70人-25人)です。そして、一軍選手の調整が優先することも多く、二軍の選手が出場することは極めて少ないチャンスなのです。育成選手が試合に出るチャンスなど本来皆無なのです。

3軍制度の試合は全員が200~300打席立て、投手は20試合は投げられますのでズバリ「実践経験」で鍛えられるのです!

もちろん練習のなかで上達する技術もありますが、試合でなければ身につかないことは多いのです。自分の力が通用するのかは、実戦で試さないとわかりません。あとは状況に応じた判断力など、試合でなければ鍛えられない部分があるからです!

阪神タイガースも若手起用が目立ってますが…どうせなら3軍制度を導入し未来の柳田選手の様なスーパースターを発掘して欲しいですね(^-^)
因みに、3軍制度は、球団の営業面にも大きな貢献をしているようです。ソフトバンクの新施設ベースボールパーク筑後では、休日になると九州一円からファンが集まって試合観戦を楽しんでいるようです。
多すぎて、球場に入らないこともしばしばだそうで、とてもファームの試合とは思えないとのこと。九州の北部である福岡市内を離れ、九州中心に近い筑後の地に、全九州のファンが集まってくるというのですから、ファン層の底上げになっていると思います。