休業損害について、今回は事業所得者の場合を紹介したいと思います。

事業所得者とは、原則として白色申告・青色申告事業主のことです。

事業者所得者は、自分が直接仕事をしなくても、事業が成り立つ場合があります。

そこで自賠責保険は、被害者に現実に収入減が認められた場合に限って、休業損害を認定します。

休業障害の計算方法

さて、損害の計算方法ですが、

(事故前 1 年間の収入額-必要経費)÷ 365 日×寄与率(※)×休業日数 で計算します。

休業日数は、原則として実治療日数ですが、傷害の状態、業種等を考慮し、治療期間の範囲内で実治療日数の 2 倍を限度とすることが出来るとされています。

また、長管骨(手足の細長い骨)の骨折等によるギプス固定期間は実治療日数として取り扱います。

代替労働力を利用した場合は、被害者の休業日数の範囲内で、必要かつ妥当な実費を認定します。

※寄与率とは

事業所得者の休業損害は、所得額-必要経費の正味所得額に家族専従者又は使用人の人的構成から、

被害者本人の寄与率を乗じて休業損害日額を認定します。

つまり、被害者本人が交通事故にあったためにどれほどの痛手を受けたかの率を損害として含めていくのです。

事故に遭い、どれくらいの寄与率が発生するかは以下の通りです。

休業又は閉店している場合・・・被害者の寄与率は 100 %が認定されます。

営業が継続されている場合(青色申告)・・・事業主は本人の所得額が明示されていますので、寄与率減額はなされません。

営業が継続されている場合(白色申告)・・・

①年間正味所得が 200 万円以下の場合、寄与率減額はなされません。

②年間正味所得が 200 万円以上の場合、

60 ~ 80 %を基準として事業主本人の寄与率を認定するとされています。

尚、60~80 %は一応の目安であり、実情に応じて適宜認定するとの但書がなされています。

保険会社は、この寄与率を実情と関係なく勝手に決める傾向にありますので注意が必要です。