人間が、他の動物と違うところとして、箸を使って食べたり、相手と言葉でコミュニケーションをとったり、いろいろな計画を立てて実行できる。などが、挙げられます。
その機能を高次脳機能というのですが、交通事故などにより脳に傷がつくと、見た目には普通なのに、忘れっぽくなったり、相手にうまく伝えられなかったり、判断力が低下したりして、社会生活に適応しにくくなります。
これを、高次脳機能障害と呼びます。
脳の構造として、大脳の表面3ミリくらいの厚さの大脳皮質というところが、思考などの高次脳機能を担当しているとのことです。たった、あんな大きな脳で使っているのは表面3ミリとは驚きです。その他の部分は、神経繊維で、コンピューターで言えば、ICチップとそれに繋がる配線といった感じでしょうか。この神経繊維は、絹の糸のような細さですから、切断等があっても、レントゲンやCTといった画像には写りません。交通事故の特徴に、回転運動がかかることが多いというのがあります。頭蓋骨の中にぷかぷか浮いている脳が回転運動等で揺られ、神経繊維(回線)がプチプチ切れてしまうのです(これを「びまん性軸策損傷」といいます)。
コンピューターのICチップが計算してもそれを伝達できない状況になるのです。
高次脳障害の種類として、
◆失語・失行・失認
◆新しいことが覚えられない(記憶障害)
◆気が散りやすい(注意障害)
◆行動を計画して、実行することができない(遂行機能障害)
◆周囲の状況に合わせた適切な行動ができない(社会的行動障害)
◆すぐ怒ったり、泣いたり、子供っぽいことをしたり、自己中心的になったり、強いこだわりをもちだす(人格変化)
などが、あります。上記例が複数見受けられることもあります。
障害は、人によって程度が異なり、本人は、先ず、(障害を負った状態ですから)ら気が付きませんし、人からも理解されず、厄介者として扱われてしまいます。
交通事故などで、頭部を損傷する前までは、こんなことはなかったのにと感じたら、一度病院で検査されることをお勧めします。