消費税 食品非課税について(2025.02.25)

選挙後の現在、自民党の公約であった食品限定で2年間の非課税が議論にあがっています。

一見、家計で大きなウエイトを占める食費が10%ダウンとなれば、現在の物価上昇の中、経済的弱者の生活を助けることになりそうです。

しかしながら、消費税というのは、決まった値段があって、そこに10%の税金が乗って、売買代金になるという形式にはなっていますが、実際は、その様な価格決定過程ではありません。税込みの売値が先に決まり、そこから10%の納税義務が売主に発生するのです。たとえ、仕入れ値より低い赤字での売値になっても、10%の税金を逃れることはできません。消費税が3パーセントからスタートし、5%、8%、10%と上がっていきましたが、その度に、小売り業者は、値上げができたわけではありません。競争がありますし、消費者は、値段に敏感ですから、値上がりすると買い控えが起きます。結果、小売り業者が税を転嫁できず、自分で被ることが増えていきます。

先日、ある飲食関係の事業者の破産申し立て手続きでのお話です。「消費税が無かったころは、それなりに利益が出ていた。消費税が上がる度に、価格に転嫁できず、税負担だけが、どんどん増えていき、利益を圧迫していき、安売りで赤字でもしっかり税を取られる、きつい税であると思う」。

食品消費税を無くすと、飲食業者の税負担が増えます。仕入れ食材に消費税がかかっていないのですから、今まで引けていた仕入れ食材の消費税相当分を差し引くことができず、まるごと、飲食店の負担となります。

飲食店の経営悪化は、従業員にしわ寄せがきます。飲食店に従事する人は、アルバイト・パートを含めかなり多いですから経済的弱者に負担がかかってきてしまうのです。

現在、国家税収の最大のものは消費税で、約1/3です。消費税は、物の売買がある限り、発生する税ですので、利益にのみ課される所得税、法人税に比べて、安定的な財源となります。

たしかに、消費税が無くなれば、国家収入が安定せず、計画的な歳出に支障がでるでしょう。豚まんの宣伝ではないですが、「(税収)ある時 ワハハハ 無い時 ショボーン」となってしまいます。

財源確保の為、法人税を重くすると、企業が外国に出てしまい、国内の雇用の場を失うことになりかねません。

この安定的財源確保の要請と流通保護(経済の円滑)の要請との綱引きです。

ただ、私は、安易に消費税率を上げることは大反対です。すこしずつ長い時間をかけて水の温度を上げ、いつしか死んでいくく、ゆでガエルになってしまいます。

消費税の問題点を給付金やインボイスといった制度で修正するというのも反対です。手間が増えすぎて、効果がコストに見合わないと思います。小規模事業者を苦しめるだけです。できるだけ、シンプルかつ効果的な税徴収方法にすべきです。付け焼刃は、ダメです。

国内にお金が回らない歳出面の見直しは必要でしょう。国内に資金が回らない不要な歳出は減らす、ええ格好せず、海外援助や国連負担金を日本が被らないということを検討してみるべきと思います。(海外援助も回りまわって日本の利益に資するところはあると思いますが、国力に合わせるべきと思います)

衆議院議員選挙を終えて(2026.02.12)

選挙が終わって4日が経ちました。高市自民の圧勝。さて、この圧勝で、比例区で本来自民に割り当てられるべき議席が14議席も他党に渡ったとのこと。この結果は、如何なものかと誰もが思うでしょう。もっと、議席を取れたのに… 自分たちの議席が自分の党と反対の立場の党に流れてしまった。敵に塩送ってしまった。これは、日本の比例選挙が名簿に載せることを前提としているから起こることです。じゃあ、名簿方式ではなく、政党内で後で自由に決めてとうのも、有権者と議員の繋がりが完全に閉ざされて、どうもしっくりしない。やはり、名簿方式は無難な気がします。ただ、名簿に載せるのもお金がかかるのですね。通ればいいが、落ちれば、ムダ金になります。悩ましいですね。

ただ、理論的な面から申し上げると、例えば、2人区で1番が2番の3倍の票を得たとしても、1番、2番は変わりません。死票は、どんな制度でも絶対に出るのです。比例区でもそういうものとして仕方ない。

弁護士の懲戒処分審査(2026.02.06)

全国各地で弁護士の不祥事が記事になっています。弁護士会は、業務停止や戒告の処分といった懲戒処分を発表しています。

懲戒処分は、弁護士会の懲戒委員会というところで、審理がなされ、処分が決定されます。

実は、懲戒委員会の前に、綱紀委員会での審理があります。弁護士会には、大量の弁護士に対するクレーム(懲戒請求)がなされているのです。これを前処理して、懲戒審議の対象案件を絞っているのです。

実は、私は、現在、この綱紀委員会の委員なのですが、正直、とても辛い思いをしています。綱紀委員会に持ち込まれるのは、大量の一般の方からの弁護士の懲戒を求める請求書です。これを150人くらいの綱紀委員から2人ペアで割り振られ、内容を整理し、定期綱紀委員会で発表し、委員会決議が取られる仕組みになっています。この2人のペアは、片方が判決文の様な厳格な形式の審査案を作成し、もう片方がチェックする体制です。

何が辛いかというと、怒りに満ちた懲戒請求者が弁護士の不満をぶちまけるものですから、全く整理されていない、文章が大量に続く文章を整理しないといけないのです。通常の裁判官なら、双方、弁護士がついて、整理された書面を裁判官が判断します(何を言っているのか分からない、弁護士の文章が最近は多いですが…)。素人の特に、感情的に高ぶっている書面の解読は、無茶苦茶難しいものがあります。懲戒請求の殆どは、到底懲戒対象になるような話ではありません。裁判で負けた側の人が、相手弁護士に対して、「あんな嘘つきの相手の話を嘘と知っていて平気で主張することは、弁護士倫理に欠ける」とか、負けた側の依頼者が、怒りを相手から、(負けた無能な)弁護士に向け「負けたのは、弁護士の怠慢が原因だ」とか、「弁護士に〇〇して欲しい(多くは、意味がなかったり、違法行為)と頼んだのにとりあってくれなかった」といったものです。今挙げた例は、要約すればこういう事というものですが、実際の請求書は、時系列関係なく不満をつらつらと書かれていますので、何を言いたいのかさっぱり分からないのが多いのです。精神を病んだ懲戒請求の常習犯もいます。懲戒請求を受けた対象会員は、弁明書というのを出してきます。こちらは、弁護士の文書ですので、かなり分かりやすいですが、それをそのまま審理の文に落とすことはできません。担当委員は、審査案を作る際に、請求者の指摘する問題点を整理し、その判断を整理して起案します。すごいエネルギーを要するのです。

私は、1件処理するのに4,5日を要します。それが、2か月に1度(ペアの補助役も含めると毎月)回ってきます。私の通常業務の時間の多くを奪っています。綱紀委員の中には、鬱になる人もいます。私も分かります。記載されている内容が強烈で、まるで、自分が耳元でガミガミ怒鳴られている気になってしまうのです。綱紀委員は辛い。懲戒委員会は、綱紀委員のまとめられた資料を元に審理するので、かなり楽なはずです。誰かがやらなければならない役回りですが、私は、任期(私にとっては、刑期)を心待ちにしている次第です。

弁護士会は、弁護士の自主的運営で成り立っています。今の弁護士、お金にならない弁護士会の運営に加わることを避ける傾向にあります。一般の方にも弁護士会の運営の苦労の一面を理解して頂きたく、愚痴をこぼしたブログとなっています。