このコーナーでは、阪神タイガース所属選手の契約交渉代理経験が豊富な黒田弁護士が、阪神タイガースやプロ野球に関する小ネタをご紹介しています。今日は、プロ野球とコンプライアンスについて考えてみましょう。
最近スポーツ界では…ドーピング.覚醒剤.野球賭博など残念なニュースが飛び交っています。
NPBでは毎年1月に新人研修を行っています。今年も1月12日に12球団の新人116人に対して「反ドーピングと暴力団排除」について講義が行われました。
1969年に発覚した野球賭博に関する八百長試合…黒い霧事件を例に挙げ当時近鉄エースだった鈴木啓示氏を講師に迎え、具体的経緯などをリアルに講義されました。
各球団もコンプライアンスに力を入れており、キャンプ地などで講師を迎えて徹底的に講習を受けています。
NPBも元最高検察庁公安部長、元東京地検特捜部長の熊崎勝彦氏をコミッショナーに招聘しています
それでも今回の様な事態が起こるのは何故なのでしょうか?
それは選手に迫る『誘惑』と『自己判断の欠如』ではないでしょうか?
プロ野球選手の殆どが小さい頃から野球一筋で頑張ってきています。
つまり野球以外の事は知る機会が少ないのです。
アルバイトや一般企業に就職し世の中の仕組みや怖さを実感する機会がありません。
社会人野球といっても勤務は殆ど野球の練習をしています。
反社会勢力と言われる人物は一見では判断ません。
球団の自浄作用と個人の自己防衛に託すしかないのです。
これ以上…野球界、スポーツ界に残念なニュースが流れない事を祈るばかりです。