このコーナーでは、阪神タイガース所属選手の契約交渉代理経験が豊富な黒田弁護士が、阪神タイガースやプロ野球に関する小ネタをご紹介しています。今日は、クライマックスシリーズについての知られざる逸話をご紹介致します。
広島が中日に負けて棚ぼた式にタイガースのCS進出が決まりました。前に書いた「大誤審」の記事を書いている時、この大誤審がCS進出に大きく影響ある結果となることを危惧していましたが、まさしく心配通りの結果となりました。
あの試合で投げてた安藤選手、将来もずっと放映され続けられるでしょうね。ちょっと可哀想。
さて、クライマックスシリーズについては、昨年も、記事を書かせていただきましたが、今回は、もう少し突っ込んだお話をしたいと思います。
日本のクライマックスシリーズは、サービス残業ともいえます。CSシリーズは、選手のギャラはゼロです。CSファイナルステージのみ活躍した選手に対してスポンサーから賞金がでますが、ノーギャラです。アメリカのクライマックスシリーズは、敗者にもそれなりの分配金があるのですが、日本の場合は、3位の球団、及び、選手には、旨味がないシステムになっています。収益は、主催試合を行う球団が総取りで、交通費、宿泊費のみ3位球団に支払いがあるのみ。
もちろん、日本シリーズに行くことができれば、選手に分配金が入り、球団も主催試合で大きな利益を出すことができ、そのチャンスがあるだけましだともいえます。実際、過去ロッテが3位から日本一になりましたね。
因みに、日本シリーズも分配金は、第4戦までの入場料の約3割が原資となるだけです。そう、日本シリーズでも第5戦以降は、ノーギャラのサービス残業状態となります。
しかし、分配金をめざしている選手はいないでしょうね。シーズン目標の集大成という心境でシリーズに臨んでいると思います。彼らは、基本的に戦士ですので、戦いの場が設けられると本能的に手を抜かず必死で戦います。
無論、ノーギャラといいながら、その活躍は、翌年の年俸に影響を及ぼします。一応、年俸決定は、シーズンの成績を元に決定される建前ですので、CS 日本シリーズの成績は無関係ということになりますが、そこは、人間の査定ですので、査定直前の活躍に対しては、財布の紐が緩む傾向にあると思います。
プロ野球選手は、休みが少なく、秋季キャンプが免除されるベテランにとって、さっさとシーズン終わればそれはそれで体を休めることができていいのでしょうが、やはり、シリーズをテレビで見ているというのは寂しいものがあるようです。
CS、日本シリーズと10試合以上の試合があり、故障の危険性も考えれば、もう少し、選手へのご褒美を増やしてもいいような気がします。
日本シリーズは、NPBの大切な収益源ですが、CSはNPBの収益に影響を及ぼしません。NPBは、日本シリーズのスポンサー探しを必死にしているようですが、どうも、苦戦気味とのこと。むしろ、今、人気はCSに移っているようです。3位が日本シリーズに行くことの制度の不自然さを非難しつつ、そんな下克上が起こることを密かに期待する心理が働いているようです。
いずれにしろ、我がタイガースが再び、甲子園に戻って試合をしてくれることを期待します。