トランプ大統領がウクライナに対して、ウクライナのレアアース鉱物資源開発の権益譲るように迫りました。この報道がなされたとき、誰もが結構エグイ話だなと思いました。弱っている者(ウクライナ)に「助けてほしければ、財産(鉱物)よこせ!」と迫っている様で、鬼畜の様な行いだと誰もが思ったでしょう。
しかしながら、考えてみれば、双方にとって、合理性のある話です。ウクライナにアメリカの資本が入れば、簡単にロシアは侵攻できません。
そして、鉱物資源も、ロシアに接したウクライナ東部にあるのであり、ウクライナが独自開発は元々無理な話らしいですから、ウクライナも開発を進めることができるという意味で合理性があります。
この話を聞いた時、日露戦争終結時の事を思い出しました。日露戦争終結で、満州鉄道の管理経営権をロシアから取得したとき、アメリカ資本が満州鉄道を共同経営しようという話があったのです。日本は、その話を蹴りました。もし、満州鉄道にアメリカ資本が入っていれば、大国アメリカを介することで、ロシアの南下の脅威を防ぐことができたでしょう。大国と国境を接するというのは、小国にとって、すごく、ストレスのかかる話なのです。大国どうしが向き合ってくれれば、そこには均衡が生まれ、仲が悪くとも平和(冷戦)がもたらされるのです。
歴史考察は、「たら」、「れば」という仮定を語ることです。
日本が満州鉄道の権益を独り占めしていなければ、第二次世界大戦に至っていなかったと思います。
日露戦争という莫大な資金を投入してせっかく得た権益を捨てきれない日本政府のケチ臭さが、後に、日本人の多くの命を犠牲にすることの結果となったと思います。
ウクライナの方々、悔しいでしょうが、合理的な選択をし、早く、停戦となり、国の復興に励んで欲しいと思います。