朝のモーニングショー見ていたら、「司法研修所での書記官研修 この時期にするか?」について、長島一茂さん 玉川徹さんが、ホント、ぼろくそに批判していました。
私は、これを聞いて、司法を分かっていないと思いました。
コメンテイターの方々は、どうも、司法研修所の研修を単なる企業の新人研修の様に考えられているのではないかと思いました。
司法研修所での書記官研修は、司法にとって無くてはならないものです。そして、司法研修所のスケジュールは、年間ビッシリ詰まっているのです。司法修習生の研修(かつて私もここで研修しました)、裁判官の研修も一年を通して計画的にびっしり入っているのです。
 感染者が現実にほとんど発生していない状況で、その危険性があるということで、研修を中止することは、いわば、警察学校や自衛隊での新人研修をコロナ蔓延の恐れがあるということで、延期や中止するようなものです。研修無しの法曹会デビューなんて、警察官や自衛官が訓練無しに、銃を持たされて実践に臨むようなものです。
 司法研修所の研修は、裁判所実務という実践に臨むに当たり、実戦経験豊かな教官が、机上ではなく実践に基づいた教義を教え込んでくれるところです。
 地方から来た者は、隣接する寮に数ヶ月泊まり、同じ釜の飯を食べて、同期の友情を育みます。
 ですから、司法研修所での研修を延期するという事は、よほどの事が無い限り延期とすることはできません。
 今回マスコミが飛びついたのは、地方からの研修予定生が、東京がコロナですごい状況になりかけている状況で、研修させるなんて・・・家族も怒り、辞表も覚悟しているみたいな事を言っている者の告発からテレビで取り上げられた様です。
 私は、現実、感染者が居ない状況で、テレビ局が「東京怖い」的な発言をする人をおもしろおかしく、取り上げたようにしか思えません。

(追伸)
※結局、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、埼玉県和光市の施設で行われる予定だった裁判所と国税庁の職員研修について、延期などの措置が取られることが決まりました。
 最高裁は、和光市の研修所で6日から来年3月末までの日程で行う予定だった「裁判所書記官養成課程研修」について、研修生が集合する形での実施は延期することを発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大の状況を受け、施設の立地自治体である埼玉県と和光市から3日に要請があり、延期の判断をしたということです。対象は全国の職員約300人で、研修を別の形で行うことができるかなど、今後、検討するということです。また、国税庁の所管で同じ和光市にある税務大学校では、約1100人の新入職員が受ける予定だった専門官基礎研修について、在宅でのオンライン形式に変更されることが決まりました。全国からすでに約1000人の研修生が入寮していますが、6日から順次、自宅に戻るということです