私は、今、「外国人労働者問題」の勉強会に参加しています。
日本では、労働力不足から外国人労働者が増加しています。外国人労働者は、危険な3Kの仕事に従事している割合も高く、当然、労災事故や交通事故も増加傾向にあります。当事務所も外国人労働者からの労災相談もしばしばある状況です。外国人労働者の問題は、ビザ等多岐な問題関わる事も多く、私自身では、そのような問題に対応することができません。少しでも、このような問題で相談できる人脈の構築、及び、自身の知識向上の為、勉強会に参加しています。無論、後の飲み会も楽しみの一つですが…
今回のテーマは、国籍の離脱。二重国籍を防ぐ為、日本の法律では、他の国の国籍を取得すると自動的に日本国籍を失うのですが、他の国では、そうでない場合が多いらしいのです。考えてみれば、結構難しい問題で、そもそも「国籍」とは何か?というところに行きつく感じがしました。
難しい議論に全くついていけなかったのですが、その中で、ソフトバンクの孫正義さんの帰化における氏の話は、とても興味深く聞かせて頂きました。
当時、日本にない姓の「孫」は、氏として認められなかったらしいのです(今は、大丈夫の様ですが…)。
行政は、前例主義、前例の無いものはダメの一点張りだったそうです。
ここで孫さんの凄いのは行政ではなく、司法を動かした事。日本人である奥さんは、戸籍上の姓ではなく、日常生活では、夫の姓である「孫」名義を使っていたのですが、日常に不便を来すとして、氏の変更を家庭裁判所に申立したらしいのです。裁判所の氏の変更は、本人の日常生活での支障、氏の変更による社会の混乱度合を以て決せられます。普段、「孫」名義で生活している以上、逆に、普段使わない戸籍の氏は、社会にとっても、ご自身にとっても不便なものとなります。
裁判所は、氏の変更を認めました。
ここに日本で初めて「孫」名義の氏が誕生したのです。
そうなると、そこは、日本のお役所です。日本人で「孫」の姓が存在する以上(奥さんですが…)、帰化に当たって、「孫」名義を使用することがスッと通ったらしいのです。
孫さんらしい、エピソードだと思いました。
戸籍制度のある国、実は、もう少数らしいのです。韓国も無くなったそうです。日本の「氏」って、なんなのか、将来日本人が改めて考えなければならない事かもしれません。