第3級1号 一眼が失明し、他眼の視力が 0.06 以下になったもの
視力の低下は、眼に対する直接の外傷と、視神経の損傷で発症します。
眼の外傷であれば、前眼部、中間透光体、眼底部の検査で異常所見を立証することができ、簡単です。
ところが、視神経の損傷は、上記ほど簡単でありません。
ERG検査とVEP検査
(ERG =網膜電位検査)
網膜に光刺激を与えた時に現れる、網膜の活動電位をグラフにして記録したもので、ゴマカシが一切、出来ません。
(VEP 検査 visual evoked potentials =視覚誘発電位検査)
これは眼球の外傷ではなく、視神経損傷が疑われる場合の検査で、網膜から後頭葉に至る視覚伝達路の異常をチェックします。
光刺激によって後頭葉の脳波を誘発し記録します。
Nliro 調査事務所は、客観的な他覚的所見が得られることを理由に、ERG検査やVEP検査の結果を重要視しています。
京都で発生した千原生コン事件
ところで・・・
実際に視力が悪いのに良く見せようとする嘘は、すぐばれてしまいますが、
実際は良く見えているのに、見えませんといわれることは、見破れないのです。
視力で後遺障害を申請するのに前者は考えられません。
そして後者を詐盲と呼んでいます。
この事件は詐盲で第 1 級を獲得したものです。
傷病名は、外傷性頚部症候群、両眼の失明を訴え 1 級の後遺障害を獲得した被害者がいました。
提出された後遺障害診断書は、京都大学医学部附属病院 整形外科の医師の記載になるものです。
AIU 保険は、疑いつつも、東京・大手町の本社で 1 億円の小切手を手渡し、示談としました。
その直後から、徹底した尾行調査を行ったのです。
この被害者は、示談金を受け取った後、何と、運転免許の取得に自動車教習所に入学したのです。
教員のサポートで、運転教習中の被害者はバッチリ写真補足されています。
仮免、路上教習を完了、自動車運転免許が交付された日に、被害者は、京都府警に逮捕されました。
もちろん、保険金詐欺です。
両眼の失明で 1 級を獲得して、自動車免許ですから、これほどハッキリした保険金詐欺もありません。
後遺障害診断書を作成した医師も連座で逮捕、医師免許は剥奪されました。
これらの一部始終は、発刊間もない写真週刊誌フォーカスで取り上げられました。
どうして、千原生コン事件と言うのかというと、
詐盲を訴えた被害者が千原生コンの代表者の妾= 2 号さんで、
代表者も詐欺に噛んでいたからです。
この事件をきっかけとして、詐盲の取り扱いが厳しくなったと言われています。
外傷性頚部症候群では、頚部交感神経の暴走により、視力の低下、調節障害を訴える被害者が少なくありません。
バレ・リュー症候群と呼ばれる症状ですが、耳鳴りやめまいを伴うこともあります。
しかし、頚部交感神経のブロック療法で、多くは改善が得られています。
Nliro 調査事務所は、頚部の神経症状と捉え、眼科の検査結果では、後遺障害等級を認定しません。
第14 級 9 号、第12 級 13 号の選択となります。
被害者は、ペインクリニック、麻酔科を受診、頚部交感神経ブロック療法を受けなければなりません。
第3級2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
咀嚼の機能を廃したものとは、味噌汁、スープ等の流動食以外は受け付けない状態です。
言語の機能は、「後遺障害別等級表(第1級2号)」で説明していますので参照してください。