今年も強烈な梅雨前線が、甚大な被害をもたらしています。雨雲レーダーで九州地方に次から次へとかかる雨雲の状況を見ると心から早く梅雨明けを望みます。
ニュースを見ると中国も長雨被害がひどい様で、三峡ダムの決壊も心配されています。
なんで大陸の内陸部に大雨が降るのだろう、天気図を見ると確かに梅雨前線が中国内陸部まで続いています。
ちょっと調べてみたら今まで思っていたことと少し違う事がわかりました。
今までは、単純に南の太平洋高気圧が北上し、北にある冷たいオホーツク高気圧がぶつかりあって、前線ができ、夏になるにつれて太平洋高気圧が日本を北上し、梅雨が明けると思っていました。
この見方間違ってはいないのですがちょっと単純化しすぎの様です。ある意味、夏につれて南の暖かい空気が勢力伸ばす事まで世界共通の話です。なのに東アジアにのみ梅雨があるのか?
それは、ヒマラヤ山脈筆頭とするチベット高原の高い山々がポイントなのだそうです。
中緯度上層域にジェット気流が流れている事をご存知の方も多いと思います。良くゆっくり台風がジェット気流に乗るとあっと言う間に日本を通過したという報道聞きますね。あれです。
どうもジェット気流自体が夏に連れて北側を流れる様になる様なのです。
6月7月頃になるとヒマラヤ山脈に打ち当たり風が二つに割れます。二つの風はやがて合流します。割れた直後は気圧が下がり、合わさるところでは気圧が上がります。高速道路ではトラックに追い抜かれた直後、トラック側に吸い込まれることがありますね。あれは、トラックの後ろの気圧が下がるからです。
気圧が低い所は低気圧に、高い所は高気圧になります。上層でのこの気圧の変化は当然下層での空気の流れにも影響を与えます。日本列島東側でオホーツク海高気圧を作ります。
ヒマラヤ山脈東の地域には、低気圧帯を作ります。中国の大雨の辺りですね。
低気圧は、南の高気圧からの湿った空気を呼び込み、かつ、この低気圧は、北の冷たい空気も呼び込むので、大雨になりやすくなります。
この二つのジェット気流からもたされる空気の谷間が解消されない間は、この高気圧低気圧が居座り、膠着した天気が続きます。夏が進み、やがて、ジェット気流がヒマラヤ山脈の北側を通るようになるとジェット気流の分断も解消され、オホーツク海高気圧も消滅し、梅雨前線も消滅する様です。
早く、ジェット気流が北上して、梅雨明けになって欲しいと思います。