こんにちは、弁護士の西井です。
前回、高次脳機能障害の神経心理学的検査の代表的なものとして、WAIS-IIIを紹介しました。
WAIS-IIIとは?
WAIS-IIIとは、知能検査のことであり、結果はIQ/群指数で示されます。
IQ/群指数の平均
では、平均の数値はいくつでしょうか?
その答えは、IQ/群指数が109~90であれば平均とされています。
そして、89~80であれば平均の下、79~70が境界線とされています。
逆に、130以上は特に高いとされ、わずか2.2%しかいません。
平均や平均の上の検査結果であれば高次脳機能障害を負っていないと思われる方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
平均やそれ以上であれば高次脳ではない?
平均、平均の上の検査結果であっても、高次脳機能障害を負っている可能性があることに注意が必要です。
全検査IQが平均であっても、群指数では平均を下回るものがあったり、下位検査の得点差が大きかったりすることもあり得るからです。
また、神経心理学的検査のみで社会的行動障害すべてを明らかにできません。
このように、平均、平均の上の検査結果であっても、高次脳機能障害として後遺障害等級が認められる可能性があります。