交通事故にあうと最近は、単純X線撮影だけでなく、精密検査として、CT検査やMRI検査を行うことが多いですね。
さて、どんな検査なのでしょう。今回は、CT検査を簡単に説明します(次回はMRIを説明します)。
CTとは、Computed Tomography (コンピュータ断層撮影法)の略語です。
ドーナツ型の機械に体が自動的に通っていきながら撮影します。
X線をさまざまな角度から体内の見たいところに当てることにより、体内を輪切り(5㎜~1㎝)にした画像を映し出します。
ハムをスライスする感じでしょうか。
利点としては、短時間で検査が可能です。
欠点としては、X線(つまり放射能)を浴びるので、わずかながら体に影響があります。近年、被爆をさらに抑える研究も進められてきています。
CTを使用する体の場所として、以下のようなところが挙げられます。
頭部では、脳梗塞、脳出血など急を要する際に使用します。
肺や気管支(肺がん、肺炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症など)で使用します。
腹部(肝臓、腎臓などの腹部の病巣)では、CTとMRIの両方を使用します。
骨の3D画像は、CTの方が画質もよく、よくわかります。
心臓には、冠動脈CT(心臓CT)というものもあります。従来のCTでは平面画像しか、撮影できませんでしたが、
近年、「マルチスライスCT」というものができ、立体的に検査が可能になりました(http://medical-checkup.info/article/52786132.html参照)。
心臓ではカテーテルを入れ検査する方法が用いられていましたが、安全のために入院する必要がありました。しかし、この冠動脈CTを使用すれば外来受診が可能です。
耳鼻科領域(副鼻腔炎など)では、CTを使用することがあります。一般的にはレントゲンを使用しますが、レントゲンでは縦方向にしか撮影できません。
しかし、CTは輪切りに撮影するため、骨や粘膜の情報が数ミリ単位でわかるので顔のどのあたりに膿がたまってているかなどよくわかるのです。
消化管は、バーチャル内視鏡(仮想内視鏡)と呼ばれる方法を用いる際にCTを使用します。
内視鏡検査のように、腸の中を空にして、下剤を飲まないといけませんが、内視鏡を入れないため、腸が傷つくことがなく、短時間で検査ができます。