いまから20年ほど前、交通事故による死者数が年間1万人を超えていた時期が続き、それが社会問題になっていました。それ以降、幸いにも死者数は減少しています。平成23年の死者数は5000人弱ですから20年前に比べて半分以下に減っています。負傷者数も死者数ほどではありませんが、減少しています。しかし、交通事故の発生件数は20年ほど前とさほど変わっておらず、負傷者・死者数の減少は、医療の進歩や自動車の安全性の向上によるものだと推測できます。
このように考えると、気をつけていても、交通事故には遭遇するものと考えておいた方がいいと思われます。交通事故に遭遇したとき、頼りになるのが自動車保険です。保険で怪我が治る訳ではありませんが、相応の保障内容であれば、自身にとっても相手にとっても安心して治療を受けられます。
ただ、自動車保有者のすべてがいわゆる任意保険に加入している訳ではありません。任意保険は、強制的に加入させられる自賠責保険とは異なり、加入も保障内容も個人にまかされており、いいかえれば自己責任によるものです。そのため、事故に遭ったとき、自分は任意保険に入っていても、相手が入っているとも限らないのです。
どの程度の人が任意保険に勧誘しているのでしょう
日本損害保険協会の調べによると、車両数ベースの保険加入率は、対人賠償、対物賠償とも全国平均でおよそ73%です。4台に1台は任意保険に勧誘していない車(無保険車)といえます。もちろん、自動車に乗ることはなく保有しているだけなので無保険であるという場合もこれに含まれるでしょうが、そんなに大きな数にはならないと思われます。
多くの人は、自動車を購入したら無条件で任意保険にも入るもの、と考えてらっしゃると思いますが、その考えでいくと、この保険加入率は相当低く感じられるのではないでしょうか。
都道府県別で保険勧誘率のトップ3とワースト3を示してみます。
(日本損害保険協会発行「日本の損害保険 ファクトブック2012」参考)
1位の大阪府の加入率は、意外と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、事故発生件数が多い大阪では当然ともいえます(それでも2割近くは無保険車なのですね)。2位の愛知は、さすが自動車大県(?)です。
一方、下位には都心から離れた県が並んでいます。最下位の沖縄県は、交通手段として車が重宝されていそうなのに半分ほどの車しか保険に加入していません。のんびりしている風土なのか、あるいは保険に加入する必要性が薄い理由でもあるのか・・・。