通勤途中の交通事故は、労働災害に含まれます。もちろん、労働過程に於ける災害ですから、通勤経路を大きく外れていたり、途中で買い物を長時間していたりしてはダメです。

労災適用があるというのは、いろいろなメリットがあります。たとえば、相手から休業損害を全額もらっていても、労災からは、特別支給金がでます(休業給付)。給料の20%が休業損害とは別にもらえて、後の賠償請求に於いて差し引かれることはないわけですから、大きいですね。その他にも後遺障害が残った場合の特別金等いろいろあります。これらの「特別支給金」は、補償というよりも、被災労働者等援護事業として行われるものですから、賠償から既払いとして差し引かれることはないのです。たとえとしては、少し不適切ですが、被害者が生命保険にたまたま入っていて、その支給を受けたからといって、差し引かれることが無いのと同じです。保険加入者が支払った生命保険料(労災保険料)から得られる金銭ですから当然です。

労災申請しても会社が不利益を被ることはありません。面倒がったり、労働基準監督署に目をつけられるのではないかと、労災申請を諦めさせようとする経営者もいますが、なんの為保険料を支払っているのでしょうか?正当な権利ですので、請求しないと損ですね。

もっとも、労災保険未納の経営者もいます。そんな場合でも、労災申請は可能です。経営者が未納あるいは加入手続を怠っていたからといって、労働者が不利益を被ることがないようになっています(経営者には、遡って保険料徴収される等のペナルティはありますが…)。