世の中、不合理なことだらけです。茨木太陽は、そんな所を照らし出し、世に訴えたいと思います。ぼやき漫才 人生幸朗さんが如く、茨木太陽がぼやきます。「ばか者!!責任者出てこい!!」
えっ!!人生幸朗(じんせい こうろ)さんをご存じない…。昭和漫才の大御所です。是非、YouTubeで検索ください。知らなきゃ損。
さて、本日は…

忍法、身代わりの術

皆さん、世の中おかしい事だらけですが、我が業界で、びっくりの事が起こりました。
我が業界では、弁護士会が会員弁護士に懲戒処分する事があります。弁護士にとって、弁護会の処分は、とても怖いのです。弁護士は、どこかの弁護士会に所属していないと、弁護士として活動できません。医師会は任意加入団体ですが、弁護士会は、強制加入団体です。弁護士会で、退会処分を受けると、事実上、別の弁護士会(全国52会あります)でも、加入が認められないので、弁護士廃業ということになります。業務停止1ヶ月という処分でも、「たった一ヶ月、夏休みみたいなものね」というわけにはいきません。一切の弁護士業務をしてはならないのです。顧問契約は、全て、解消し、受けている案件も全て辞任、看板もネットでの広告も禁止、正に、「閉門蟄居」という事になりますので、業務停止後、元の状態に戻るまで時間がかかります。
 2017年にA法律事務所が2ヶ月の業務停止になったときは、大変でした。10万人も契約者がいたので、その後処理は、大変でした。業務停止の理由が、景品表示法違反でしたので、処分としては、やや重すぎる様に思います。「戒告」にして、再び、問題行動があるときに「業務停止」すべきでは無かったかと思います。
 先日、テレビやネット広告で有名な弁護士法人、B事務所が「業務停止6ヶ月」の処分が下りました。過払い提携司法書士に対し、紹介料を払ったというものです。
 紹介料であったか、労力に対する対価であったか争われ、今後もその点について、審議が続くようなので、この点については、ノーコメントとしたいと思います。
 しかし、びっくりしたのは、懲戒請求がなされてから、一般的には区別の付かない、ほぼ、同名の別法人を作り、登録弁護士も全て、別法人に移しました。元の弁護士法人は、もぬけの空の状態。業務停止命令後も普通にテレビCMしており、HP上も、懲戒処分を受けたのは、別の法人ですので、ご心配なくとの記載がなされています。
 私が、子供の頃、忍者「カムイ」では、よく、こんなシーンがありました。手裏剣に当たって倒れたと思ったら、服が着せられている木に手裏剣が刺さっている。
「忍法、身代わりの術~」。
  詐欺会社がよくやる手法です。危なくなったら別会社作って、同じ事する。詐欺会社は、名前は変えますが…。
 また、倒産手法に、別法人作る一方、借金まみれの法人名を別の名前に名称変更し、新法人に元の名称の商号を名乗らせる。別名にした元の法人は、破産をする。
 一般の消費者は、今までなじんでいた〇〇会社は実は、倒産しているなんて、気付かずに 依然と同様〇〇会社と取引します。
 正に、こんな事を弁護士がしているのです。個人弁護士が懲戒請求を受けると弁護士会の移動は、判断が下るまでできません。弁護士法人の場合、別会社作って、元の法人をトカゲのしっぽの如く、切り捨てます。
 確かに、弁護士会の懲戒制度も、いろいろ問題あるのは、確かだと思います。
 しかし、このような「身代わりの術」を許したのでは、弁護士会の自治、自浄作用が失われ、只でさえ、弁護士の信用力が落ちている中、更なる信用の失墜を招くと思います。
 私は、声を大にして、ぼやきます。弁護士業界の為にぼやくのです。「こんな身代わりの術使って、あーそうですか?と諦める弁護士会と違いますよ。次は、身代わりの術使ったとして、退会処分となりますよ。沢山の従業員、勤務弁護士、路頭に迷わすのですか? 懲戒請求に対しては、正面から反論をすべきでしょう。どういった意図で身代わりの術使ったのでしょう、責任者出てこい!」