世の中、不合理なことだらけです。茨木太陽は、そんな所を照らし出し、世に訴えたいと思います。ぼやき漫才 人生幸朗さんが如く、茨木太陽がぼやきます。「ばか者!!責任者出てこい!!」
えっ!!人生幸朗(じんせい こうろう)さんをご存じない…。昭和漫才の大御所です。是非、YouTubeで検索ください。知らなきゃ損。
さて、新春の挨拶と年始中国格安旅行体験記を紹介しましたが、お土産屋での販売方法がえげつないことを、後日、ぼやきコーナーで取り上げますとしていたところ、その内容を早く知りたいというご要望を頂きまして、成人の日を利用して書きました。
筑波山がまの油売り-中国編-
皆さん、聞いて下さい。格安旅行に、提携土産物屋に寄ることは付きものですし、多少オーバーな実演販売は、筑波山がまの油売り(※)の如く、ご愛敬のところです。
(※ 筑波山に生息する霊力有するガマガエルに鏡を見せて、その流れ出る脂汗は、傷をすぐに治すという触れ込みで、実演販売をするとするというもの。刀の先半分だけ良く研ぎ、紙をスパスパ切って、刀の切れ味を示し、研いでいない刀の根元の部分で、自分の腕を切りつけ、血糊を付けた後、がまの油を塗って、さっと拭けば、この通り、怪我が治っていますという詐欺的実演販売。)
しかし、中国の場合、えげつなすぎますわ。国家ぐるみで詐欺的販売しているとしか思えません。
朝8時過ぎに中国の文化センター?に行くと、ガイドさんが「皆さん、今日はラッキーです。人間国宝の書道の先生が来ています。」「書道の先生が、日本の皆さん前で実演してくれるそうです。」と告げられ、とある部屋へ。初老の老人がおもむろに絵と字を描き始めます。確かに、絵もうまく、字も上手。文化センターの館員が、流暢な日本語で、先生が如何に立派な人であるかを説明します。そして、書いた書や絵の販売が始まりました。絵10万円、書5万円。ウーン。高いのか安いのか分からない。先生と言われる人は、終始、無言で、黙々と書いています。
以下、私が覚えている館員の売り口上を列挙します。
・愛新覚羅の末裔で、世が世なら皇帝だった人(家系図展示)
・(ラストエンペラーである愛新覚羅溥儀とその弟溥傑他、一族が写った写真が展示してあり)、その中に写っているこの人が今日来ている先生とのこと
・中国の書道協会の重鎮で、日本でいう人間国宝。
・先生は、今日は日曜日で、たまたまここに寄られた。ボランティアで、この代金は全額、故宮の修復費に充てられる。文化保護の為、皆様、ご協力お願いします。
・購入者は、特別、先生と写真撮れます。
・昨年、九州の人が絵を買って、お店に貼りました。それから中国人のお客が一杯来るようになりました。中国人「愛新覚羅」とザクロの絵大好きです。あまりにも店が流行ったので、先日、お礼と新しい絵をお願いするため、ここに来られました。
・今使っている筆は、皇族用の筆で、この毛を採るのに〇頭要ります。
・なんでも鑑定団に出せば、先ず、10倍以上の値が付くこと間違いありません。もし、そのような値段がつかなければ、お金はお返しします。
・先生が一番心配しているのは転売です。転売は絶対しないということをお約束してくれる人だけにお分けしたいと思います。
私は、なんで、そんな偉い先生が、館内閉まっている日曜、朝8時たまたま訪れた?そんな国宝級の偉い先生の書画が10万円?愛新覚羅一族の写真でも、古い写真なので、似ていると言われれば似ているといえるだけでしょ。
なんでも鑑定団ってなんやの?相手にされるわけないでしょ。また、返品のため、中国に来いというの?
私は、その場を離れ、飾っている絵や愛新覚羅家に関する資料を眺めていました。
ツアー客の一人の社長さんが書と絵の両方を購入し、ご満悦で先生と写真を撮っているのが見えました。
バスに戻ったとき、N弁護士とS弁護士が購入したようで、お互いにいい買い物をしたことを語り合っていました(最後、書、画両方付けて5万円にしてくれたとのこと)。
私は、彼らに言いました。「おたくら、江戸時代なら、がまの油いっぱい買うタイプですね。」と。
旅の道中、お二人は、騙されたのか?との不安を打ち消すかのような、いい買い物であったと自分に言い聞かせていました。
中国では、スマホでの検索ができません。お二人、帰国して、検索した様です。お二人からLINEが届きました。「やられた~」
私は、慰めの言葉をかけました。まあ、書や画の評価というのは、主観的な物です。もともと売却を予定している物ではなく、ご自身が良い絵、書と思って書いたのですから、それでいいじゃないですか。このネタ、今後、10年話題に使えますよ。そう考えれば、旅の思い出として安い買い物ですよ。
このツアーでは、この他に、宝石店(翡翠)、ラテックス(生ゴム)寝具店、シルク布団店と回りましたが、「度を超えたディスカウントを許可無くやった」と何故か中国人店員2人が日本語で喧嘩しだすなど、突っ込みどころ満載の売り込みをしていました。後日、調べると、展示品は、本物、販売品は、偽物の事が多い様です。ツアー客の被害者多数です。
店員のカモ客を見定める嗅覚は、ハイエナの様です。見るからに貧相で性格が捻くれた様な私には、店員、ほとんど、寄りついてきません。客がどの品に興味があるのか目線で判断し、誰と誰が友人で、誰を落とせば、その人の連れも買物をするとか、一瞬で判断します。あれだけ堂々と大ぼらを吹かれては、大嘘も真実の様に聞こえます。日本で、あそこまで大ぼら吹けるのはオレオレ詐欺グループです。国の施設をそんな人達であること分かって貸し与えているものです。前回の時は、紫禁城の中で書画の実演販売がありました。国家も見て無ぬふりです。
ぼやき漫談コーナーですので、いつもなら、人生行路師匠の「ばか者!!なにさらすんじゃ。責任者出てこい!」で締めるところですが、習近平さんが出てきたら怖いので今回は、止めておきます。皆さん、旅行での実演販売には、ご注意あれ。4人中3人のベテラン弁護士が被害に遭いました。(そんな旅でも楽しい旅でした)