ロマンス詐欺から救済するということで受任し、着手金を分配したとして、弁護士を含む4人が逮捕されました(下記※参照)。

拗ねに傷を持つ弁護士を使って、依頼者を集め、お金をだまし取る詐欺です。今話題になっている闇バイト募集に引っかかった者を脅して、より凶悪な犯罪をさせるルフィー事件と根は同じです。

弁護士の弱みを握って、弁護士の名前を利用して依頼者を集める非弁定型というのは、以前は、多重債務者に対するものが多かった。過払金狙いです。

過払金がもう無くなった今、今度は、詐欺被害者に狙いを定めています。詐欺事件というのは、極めて回収率が低い類型です。詐欺者は、計画的に詐欺をしているわけですから、簡単に尻尾を表さないし、お金も隠してしまいます。なかなか弁護士も動いてくれません。そんな中、詐欺被害者専門で、回収可能だと大々的に宣伝している弁護士が現れたら、それを信じて、弁護士に依頼する気持ちになってしまいます。まさに、藁をもつかむ気持ちで弁護士を信頼して、お金を払うのです。

しかし、着手金を受け取っても何もしません。しても、内容証明郵便とか形だけ仕事したふりをするだけです。過払い金案件は、金融会社から回収した金がだまし取られるのですが、この詐欺は、被害者に新たな被害を生み出します。全く、酷い話です。

詐欺に会って弁護士に依頼する方は、多額のお金をだまし取られた方で、資金力がある方が多い。被害額多ければ.着手金も多額です。今回のロマンス詐欺など、相手が誰だか分からないのですから、回収見込みなんて無いに等しい。実質、回収可能性ないのに、回収できるとウソを言って金をとる詐欺そのものです。

形だけでも仕事をしていれば、回収可能性ゼロでない(限りなくゼロに近い)ので、詐欺として刑事上立件しにくいところがあります。

今回このブログを書くに当たって、少しネットをサーフィンしてみましたが、同様の広告を出している弁護士がかなりの数いることに驚きました。

この弁護士は信頼できますという口コミサイトもセットです。

 
これを早く撲滅させないと弁護士の社会の信頼が失墜してしまいます。弁護士の広告が解禁されてから、誇大広告や詐欺広告が氾濫しています。

今のままではいけません。刑事的な取り締まりを強化するべきです。

是非、地元で根を生やして活動をしている弁護士や市役所の法律相談を利用してください。

恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取るロマンス詐欺を巡り、弁護士の名義を貸して被害救済業務をさせたとして、大阪府警は5日までに弁護士法違反(非弁護士との提携など)の疑いで弁護士の男ら4人を逮捕した。被害金の大半は回収されておらず、府警は複数の被害者から得た着手金を4人で分配していたとみて実態解明を進める。認否は明らかにしていない。

府警によると、逮捕したのは「RMC法律事務所」(東京都千代田区)の代表弁護士竹原孝雄(たけはら・たかお)容疑者(82)=新宿区=と元従業員山根靖広(やまね・やすひろ)容疑者(55)=千葉県四街道市、会社役員谷合一紀(たにあい・かずのり)容疑者(53)=東京都府中市、会社役員村松純一(むらまつ・じゅんいち)容疑者(41)=さいたま市南区。

4人の逮捕容疑は2021年11月~22年9月、竹原容疑者の名義を使わせ、村松容疑者が詐欺被害者5人の被害金回収業務の助言や指導をした疑い。5人は着手金として計約310万円を支払っていたが、被害金の大半は回収されなかったとみられる。

竹原容疑者以外の3人は、被害金回収の実績があるよう偽ったインターネット広告を掲載。相談してきた被害者から着手金計約630万円を詐取したとして、詐欺容疑で10、11月に逮捕されていた。着手金は事務所の口座に振り込まれていた。

ロマンス詐欺は交流サイト(SNS)などで親しくなった相手から金銭をだまし取る手口。東京弁護士会の松田純一(まつだ・じゅんいち)会長は「事実確認の上、厳正に対処する」とのコメントを発表した。