毎月出される弁護士会の会報(100ページほどあり、かなりの分量)の最後の方に弁護士の懲戒処分の公告がなされています(官報にも掲載されています)。多くの弁護士は、会報をこの部分から見ます。まあ、他山の石として自身の訓戒を込める意味もありましょうが、多くの者は、単なる興味本位、物見遊山の世界です。最近は、弁護士の横領事件の掲載が増えています。また、最近は、依頼者に過度に肩入れし、弁護士名による脅迫まがいの事をして懲戒を受けている若手弁護士の事例も増えています。お客様第一主義は、お客様の言いなりになることではありません。
 特に、不貞行為案件で、親に言うぞと脅したり、会社の上司に言うぞと脅したり、家族が目にするように葉書で送ったりする事例が懲戒されています。
 今月号の掲載案件では、若者ではなく年配の弁護士の話。不倫案件の相手方を飲食店で、机を叩いて聞き取りし(ドラマの警察さんですか?)、相手方の親に(本人ではなく親ですよ!)慰謝料請求に応じなければ会社に調査を求める旨の内容証明出したりして「戒告」処分がくだされています。もちろん、それが事実かどうかは、分かりません。処分対象者には、不服審査請求の権利があります。
 弁護士は紳士的に行動することが求められます。ヤクザではありません。紛争は、相手との信頼をも獲得することによって、解決を図ることができます。私は、交通事故案件でも、保険会社担当者には紳士に接しています。論点についてお互い悩みを共有するようにしています。聞く耳があって、信頼関係が築かれるのです。その様な態度で臨んでいれば、そもそも、この様な懲戒請求がなされることは無かったことでしょう。