日弁連は、任意整理事件について、報酬規定の制限はありますが、着手金規定の制限は、明確に定められていません。悪質弁護士・司法書士は、これを奇貨として、「報酬金」は、一件につき、2万円以内、場合に寄れば1万円と格安にします。しかし、「着手金」は、一般事件と同様の経済的利益として計算して着手金を計算しているのです。

ですから、請求額の10パーセント以上の着手金をとっていたりします。例えば、僅か、60万円の債務の任意整理に対して、着手金6万円、報酬2万円取ります。大抵、4件、5件の任意整理をまとめてしますので、仮に、4件総額200万円だと消費税会わせて30万円近くの弁護士費用を取られたりします。

これは日弁連の怠慢であると私は思います。この報酬制限規定が弁護士会で定められたのは、過払い事件で、多額の報酬が問題となったからです。過払い金があったころは、着手金無料というところも多く、着手金については規制がされませんでした。

過払い金事件がなくなった今日、悪質業者は、任意整理で利益を得ようとします。そして、着手金規定に規制がないことに目を付けたのです。

債務の存否が問題となる一般事件と異なり、任意整理事件は、債務の額に変更があるわけではありません。3年程度の分割払いにする定型的な作業です。

着手金は、少額で足りるというべきです。報酬金が2万円なのに、着手金がその何倍もなんて絶対におかしいです。

私は、典型的な任意整理事件では、着手金は、頂いていません。ですので、弁護士費用は、1件2万円のみです。法テラスより安いかもしれません。

でも、かかる労力考えれば、これで十分だと考えています。

弁護士会が、着手金規定を設けてくれないと、悪質業者に対して、懲戒請求する場合、相手に、言い訳を与えてしまいます。是非とも、着手金についての規制をするべきです。