大阪高裁 令和4年2月25日 一審 神戸地裁令和3年8月26日

56才 男性税理士
併合11級(大腿骨骨折 踵骨骨折 各神経障害各12級13号) 
(自保ジャーナル 2123 52項)

自営業者たる税理士さんの労農能力喪失期間について、平均余命(80才代)とはいわずとも、75才までは、当然仕事ができるとして、75才までの労働喪失期間を求めた裁判が提起されました。

高裁迄争われましたが、通常通り、平均余命の1/2(71才)までの期間に制限された判決でした。判決書には、71才までは、現役で仕事をしている蓋然性認められるが、75才までは蓋然性認められないという事が書かれていました。

原告の悔しい気持ち分かる気がします。今時、71才なんて税理士の中では、まだまだ若手です。先日、税理士会のゴルフに参加させて頂きましたが、同組の税理士さんは、70才、75才、80才でしたが、いずれの方もとても元気で、バリバリの現役でした。

税理士さんは、顧客の変動はなく、ルーティーンの仕事が主であり(事務員さんの対応が可能)、原告の言うとおり、75才まで、収入を維持して働いている蓋然性が高いと言えます。

裁判所は、なかなか、原則論をはみ出すことはしません。時代に対応した処理など全くする気はありません。

因みに、原則論でいえば、51才までの方の場合、労働能力喪失期間は、67才までとなります。67才など、税理士の世界では、一番油が乗っている時期かも知れません。

税理士や弁護士は、一般のサラリーマンよりもスタートが遅いので、その分もっと期間伸ばして欲しいという気がします。