戸籍上の夫ではなく、真の父親との親子関係を築くのに裁判をするのは、面倒だ。また、夫が裁判してくれるかどうか分からないしと「真の父親との子として出生届を出せばいいじゃないかという発想が出てくるのも不思議ではありません。
でも、実務では、戸籍窓口は、それを認めません。戸籍係は、形式的な事しか扱いません。真実を判断する人ではありません。戸籍に載っている人を父親とする扱いしか認めていません(だから、これを嫌って、母親が、出生届を出さず、日本でも無国籍児童が発生します)。
一旦、戸籍の夫を父親とし、その後、夫に、嫡出否認の訴えを提起してもらい、そうで無いときは、母親が親子関係不存在の裁判をし、判決を取った上で、嫡出子たる地位を解消し、その後、実の父親が認知します。
もっとも、離婚が解消していないと母親と子供の新しい戸籍を編纂できませんので、離婚の解消が不可欠となります。ただ、妻が有責配偶者ということで、なかなか離婚が成立しないことも考えられます。

DV夫から虐待を受けていた人が他の人に心を惹かれ、妊娠することもあるでしょう。別居に至る経緯は人それぞれです。
法律は、離婚が成立し、待婚期間を経て、新しい出会いから子供が生まれるということしか想定した規定を置いていないのです。