夏らしい夏の12日土曜日、夕方、一人、ぷらり電車で淀川花火に出かけた。茨木駅から十三駅下車、十三側の淀川右岸では無く、中津側の淀川左岸を目指す。
淀川花火大会は、受験時代の思い出の1ページである。
当時、司法試験予備校は、中津駅に2校あって、そこから花火大会の会場まで、歩いて15分くらいである。淀川花火大会の日は、例年8月上旬の土曜日である。7月中旬の論文試験終了から2週間程、経った時なので、試験の疲れも癒え、ある者は、口述試験対策ゼミを開いたり、ある者は、次年度の試験を目指して再出発している頃である。私は、アルバイトも然る事ながら、夏の間は、じっくり、本を精読していた。持っている知識を整理したり、ゆっくり、じっくり考える時期は、夏の間しか無かったからである。
夕方まで、予備校の自習室で時間をつぶし、花火大会の時間が迫ると、友人らと連れだって、打ち上げ場所近くの河川敷に向かった。今は、有料席なるものが設けられ、河川敷広場は、ぐるっと高い塀で囲まれている。当時は、今ほど、人が多くなかったと思う。皆河川敷で寝転がったりして、夏の一時を楽しんでいた。私は、いつも、川辺にある小さな船着き場がいつもの場所。草木で囲まれてあまり目立たないところであるが、その場所は、水上花火も目の前で炸裂し、打ち上げ花火の灰がバンバン落ちてくるところである。花火の灰は、一度付くと、いくら洗っても取れない。ススだらけになりながらの鑑賞はなかなか趣があった。
あの頃は、皆、自分の将来はどうなるのか不安でいっぱいであった。ボーと無心で花火を眺められるあの一時は、なんともいえない貴重な時間であった。
あの頃、一緒に花火を見た友人のほとんどは、その後、合格した(遅い早いはあるが…)。私は、合格まで何回花火大会行ったかなあ(笑)。不思議な事に、花火を見ていた時の記憶はあるのであるが、その後、皆で飲みに行ったのか全く記憶がない。飲みに行く金など無かった。
今回、十三から歩き始めたものの、出発が遅くて、通行規制がかかっていて、なかなか目的地にたどり着くことができない。私は、諦めて、橋の上から鑑賞。ちょっと、打ち上げ場所から離れているが、川の風が心地よい。橋と花火のシルエットが美しかった。
皆さんも、花火は、何かしら夏の思い出があるのではないですか?花火大会見物客皆、心から楽しそうな笑顔でした。平和な日本に心から感謝します。