金曜日、弁護士ドットコムさん主催のホームページ講習会に参加しました。
講師は、某法律事務所の「広報・マーケティング部」の職員さん。法律事務所にこんな部があるんだ!との驚き、最近のHP事情を勉強させていただこうと参加いたしました。
 参加者の弁護士は、40人程。ほとんどが若手の弁護士で、ちょっと、私は、年齢的に浮いた感じになりましたが、若手弁護士のHPによる集客の意欲をすごく感じました。
 講義内容は、当然、弁護士ドットコムさんのホームページ作成業務の寄与すべく、WEBマーケティングの効能や、WEBサイト制作論、SEO対策、リスティング広告等、幅広いものでした。
「写真は、こう撮ればいい」、「○○については、強調して、記載することを心がけて…」ホームページのサンプルも示され、具体的な内容にも及ぶ実践的な講義でした。
 ただ、盛んに「マーケティング」という言葉が出てきます。マーケティングというと「何が売れるか」「利益が出る商品をどう売るか」というメーカーや小売業の世界の様です。我が業界にも、この「マーケティング」思考の必要であることを説かれます。
 講師の事務所では、交通事故を専門と謳いながら、物損事故は、受付の段階で、定型的に「取り扱っていない」と断ったりするそうです。以前、「ぼやきコーナー」で、相手タクシー共済、受任お断りの事務所をぼやかせていただきました(詳しくは「某法律事務所 タクシー共済相手お断り」をご参照ください)が、これもマーケティングなのですね。
 コストの話も出ましたが、HP制作費、ン百万というのにも驚きました。SE対策にしろ、リスティング広告ワンクリック5000円というのもあること驚きです。
 要は、コストをかけても、HPで、沢山の問い合わせを集め、かけたコストに見合う効率的な選別システムで対応するというもの。網の目の大きさで調整するトロール漁業の様ですね。
 私は、マーケティング理論自体を否定するものではありません。でも、このシステム長い目で見れば、うまく機能せず、破綻すると私は考えます。ファミリーレストランや居酒屋チェーンが一時、飲食業界を席巻しましたが、今は、どちらかというと小さな個性的なお店が人気です。消費者は、もっと賢いのです。我々の仕事は、大量生産に向かない職種なのです。トラブルを扱うビジネスですから、かなり神経を使う仕事なのです。
 私は、理論に振り回されることなく、自分が楽しいと思うことを続けるスタイルを貫きたいと思います。
 これは、私の師匠の教えです。
『無理して自分を作る必要はない。自然にしていても、君と波長の合う人が自然に集まってくるものですよ』
 我々の仕事には、模範解答というものがありません。各弁護士、考え方、やり方も異なり、無論、結果も異なります。よく「いい弁護士を紹介して下さい」と言われますが、私は、「あなたと波長が合う弁護士があなたにとっていい弁護士です。いろいろ質問してみなさい」と答えています。
 実は、当事務所のHP歴史は、結構長いのですが、これは、元々、とある情報処理の大学教授の依頼により、ゼミ生の卒業課題として学生にHP作っていただいたことがスタートです。その後、少しずつ、手を加えて来ました。当事務所のHP、正直、最近ちょっと派手だなあ~という感じがしています。これは、「ぼやき漫談」でぼやいているとおり、私は、宣伝系法律事務所、司法書士事務所の仕事ぶりには、大きく反感を覚えており、せめて、地元の人には、正しい情報を発信していきたいということから、書き加えた結果、このような派手目の落ち着きのないHPになってしまいました。
 ごちゃごちゃとして下町的雰囲気です(昔の香港九龍城)。事務員さんからは、もっと、オシャレなHPにしたらと言われますが、このスタイルが私の自然体なのです。変えるつもりはありません。自分が楽しみ、訪れた人に興味を持って頂けるHPにしたいと思います。(時代遅れの男になりたい・・・。By川島英吾)

(文責:黒田悦男)