50代男性 主夫
事故態様:バイク対自動車
受傷部位:鎖骨骨折、外傷性くも膜下出血


遠く、私の誕生地、明石市の方からの御依頼でした。
バイクを走行中、路外から出てきた自動車に跳ねられました。頭部外傷と鎖骨骨折の傷害の被害を受けました。
幸い怪我については、退院後も順調に回復しました。後遺障害もなく、

①「主夫」としての休業損害が認められるか
②入通院慰謝料通院回数が極めて少なく通院慰謝料に3.5倍基準を使うべきか

が争点になりました。
① 主夫の認定(夫の方が、アルバイトしつつ、教員で帰りの遅い妻に代わり、家事全般を行っていました。)を、保険会社はしてくれません。女の人は、簡単に主婦として計算してくれるのに…。こんな場合、保険会社相手にしても仕方ありません。先ずは、自賠責保険から攻めます。自賠責でも質問攻めに遭いましたが、自賠責での主夫認定に成功し、その後の保険会社の交渉もスムーズにいきました。
② 骨折なので、ある時期までは安静です。通院の必要もありません。ある程度、落ち着いてくると関節拘縮を避けるため、リハビリ治療を受けることになります。しかし、肩のリハビリは、本当は、家でもできるのです。肩を使う事がリハビリでもあります。アルバイト(パート)掛け持ちの主夫はとても忙しく、呑気に病院でリハビリを受ける時間がありませんでした。家で医師のアドバイスとおりのリハビリを自分でしていました。頭部外傷くも膜下出血ですから、経過観察となります。ですから、通院回数が極端に少なかったのです。
通院回数少ない場合、保険会社さんは、自賠責の「3.5倍基準」を言ってきます(通院回数×3.5を通院期間とするもの)。今回もご多分に漏れず、言ってきました。
頭部外傷と鎖骨骨折という重傷なのに、総治療期間40日は少なすぎます。結局、紛争処理センターに持ち込み、解決を図りましたが、仲裁委員、知識不足で相手の流れに乗って解決を図ろうとしました。3.5倍基準を使う場面ではないこと文献と判例を示して説得に成功しました。
「主夫」「少ない通院」と弁護士泣かせの条件でしたが、わざわざ明石からのご依頼でしたので、張り切らせて頂きました。