兵庫県の方。特殊な機械製造を行う従業員一人社長一人といういわば師弟関係の様な会社の従業員の方からの相談。師匠である社長が急死して、事業を引き継ぎ、事業者となった直後の事故。鎖骨骨折で、機械の設置や運搬もすることができず、臨時にそういった作業をすることのできる人を雇っての作業を続けた。
会社役員であるので、休業損害は出ず(役員報酬は減らないため)、他者を臨時に雇ったことに対しての賠償もでないことに納得がいかず、相談があった。
鎖骨骨折の部位からして、完全な回復は難しいのでは無いかと思われた。鎖骨骨折は、後遺障害の認定の有無が一番微妙な案件であり、慎重なケアが必要である。証明という観点からは、医師任せにすることは危険である。
後遺障害を含めたケアを依頼され、受任。
休業損害については、本人は、別の弁護士にも相談に行っており、役員を前提にする交渉を目論んでいた様子。当職は、発想を変えた。役員登記から長い月日を経ているのではなく、従業員の扱いにすべきという交渉を行った。自分で自分の休業損害証明書を書いても、それでは、保険会社納得してくれない。いろいろな資料を提出し、休業の必要性や、実質従業員であることを証明し、完全ではないが、まずまず満足のいく休業損害を得ることができた。
後遺障害については、医師との打ち合わせを何度か行い、12級6号の後遺障害認定を得ることができた。14級9号で終わるか微妙な案件であったが、12級13号では無く、機能障害12級6号を獲得できたのは大きな成果であった。
結局、裁判を経ることなく、ちょっとした家を購入できる金額の賠償を得ることができた。事業資金ができたことで、亡くなった師匠(社長)からの事業継続の不安を払拭できた。と大変喜んで頂けた。
大のタイガース通で、二軍の情報も常に追いかけている方で、タイガース談義に花をさかせた。よき出会いでした。