歩行者vsトラック
深夜、幹線道路で佇立
30代男性 会社員


とても悲しい事件でした。第2子が生まれる直前、この世を去ることになった被害者。奥様から保険会社からの提示について、これでいいのかという確認したいとの相談。ドライブレコーダーを確認すると、幹線道路なのに、街灯が少ない道路で、突然、道路に立ち尽くす人影が現れて、衝突する瞬間が映っていました。

この画像から刑事事件でも、結果予見、回避可能性が低いとして、運転者は、不起訴処分で終わっています。保険会社は、被害者の自殺に近い案件ではないか、ドライブレコーダーをよく確認して下さい。こちらは、かなり甘い査定での過失割合を提示していると強気の主張。

これに対して、当職は、確かに、ドライブレコーダー上、突然、人が現れた様に見える。しかし、人間の目は、もっと、暗闇に対しての調整作用があるはずであるから、もっと早期に、道路に佇立する被害者を発見できていた筈だ。判例タイムズに従って、過失割合を決するべきであると反論した。

道路状況のレポート、自死ではない状況のレポートを提出し、最終的に、判例タイムズの査定方法に従っての過失割合で決着。提示より1000万円弱増額の結果を得ることができた。

ドライブレコーダーでは、暗闇から現れた様にみえるが、絶対、人間の目では、もっとよく見えていた筈だという思いを貫けた点、少しでもお役に立てたのではないかと思う。