路側帯から歩行者が車道を斜めに進行し、自動車と衝突した事故

過失検討

被害者の過失が40%であること

(参考文献)さいたま地方裁判所(平成30年9月14日判決) 自保ジャーナル2034号147頁以下(案)

弁護士の研究結果

  1. 本件は、道路脇の路側帯をイヤホンを付けてランニングしていた被害者が、電柱を避けるためか(原告主張)、衝突直前に道路中央に向かって車道上を斜めに進行し、後方から減速してクラクションを鳴らして進行した乗用車と衝突したという事案です。
    電柱を避けようとしたということですから、一見【40】事案が妥当するようにも思えます。そうすると歩行者10%の過失が基本となります。修正を加えても到底40%にはいきません。
    判例理由中「電柱にかかわらず、路側帯を通行できる」とあるので、道路に出るのが通行上やむを得ず合法の【40】事案とは異なると考えている様です。
  2. むしろ、歩行者の車道通行が違法の道路上の事故【41】【42】を基本に考えているのでは無いでしょうか。そして、今回は、センターライン付近の事故ですので、【42】事案ということになります。
    基本30:70に、クラクション鳴らして注意を喚起していた、ランニングという歩行より速いスピードで路側帯から急に車道に出てきたという点で、予測可能性の点から「ふらふら歩き」と同視して、+10の40;60としたと考えたのかもしれません。
    具体的事案が実際どのようなものか分かりませんが、クラクション鳴らして慎重に運転したのに、急に道路のセンターラインまで、走ってきたら、車の運転者たまったものではありません。そのような場合、車に60の過失認めるの、やや車に酷な気がします。ただ、裁判所は、クラクションに気付いていないことを認識しつつ、漫然と運転を継続した点の注意義務違反を強く指摘しています。歩行者優先、車は細心の注意を払う必要があることを示す判例でもありますね。
  3. (補足)大音量でイヤホンしている事自体、運転者側には大きな違反がありますが、歩行者自体は、違反ではありません。イヤホンしていること自体で過失の修正を考えることは難しいと思われますが、過失の総合的な判断という中で、大音量でイヤホンしての歩行・ランニングは、やはり、判断要素にはなると思います。