第2車線からの左折車と第1車線走行中のバイクの衝突事故

過失検討

被害者過失10%(基本類型なし)
(事故現場図)

(参考文献)名古屋地方裁判所(平成30年8月29日判決)自保ジャーナル2032号37頁以下(案)より

弁護士の研究結果

  1. 本件は、加害者が前方停止車を避けようと第1車線から第2車線へ車線変更し、その後路外ガソリンスタンドへ入ろうと第2車線から第1車線へ車線変更してそのまま路外へ左折しようとしたところ、直進してきた被害者バイクと接触した案件です(第1⇒2⇒1⇒路外)。
    「路外へ左折巻き込み」事故は、よくある事故なのですが、判例タイムズにその類型自体は、掲載されていません。事案に合致する類型がない場合、近い類型を参照することがあります。
     本件は、交差点での左巻き込み事案ではないので【213】(基本20:80)と少し違います。
    また、路外にしろ左折事案ですので、【225】(基本20:80)とも違います。
    しかし、いずれにしても、20:80が基本であり、先行自動車の進路変更に基づく衝突は、20;80が基本で、路外巻込型も同様に考えていいと思います。
     本件の特徴としては、先行トラックが第2車線から一気に路外まで進路変更している点、通常の進路変更パターンと異なり、違反度も高い感じがします。
     もっとも、第1車線には、トラックが駐車して、第1車線を占有している状況ですので、先行車は、第1車線を進むことはできませんので、第2車線からの進路変更はやむを得ない気がします。また、第1車線が停車トラックで占有されている以上、第1車線の進行車は無いと判断してしまいがちです。
  2. しかし、バイクの場合、車では通過できない幅でも、通過できます。やはり、第1車線からの進行バイクを予想すべきです。特に、加害車両はトラックで車高が高く死角が生じやすいため、普通車より注意義務がありそうです。
     加えて被害車両の観点からして、後続車両からすると、交差点と比較して、第車線から左折してくることを予見しにくいという事情がありそうです(交差点に近くとも路外は路外)。
     左折という行為自体に潜む危険性から、先行車に細心の注意を要求し、【213】「徐行なし」あるいは「著しい過失」として-10修正を行ったのだと思われます。