自保ジャーナル№2156 139頁 京都地裁令和5年3月10日

【事案】
交差点に向けて自転車がとおる通路があり、十字路にみえる道路。しかしながら、歩道、縁石があり、道路的には丁字路

下り坂を自転車通路から日傘を指しながらの片手運転 ブレーキワイヤーが切れて、道路に侵入、自動車と衝突した事案

丁字路だが、自転車との関係では十字路【246】【310】

【裁判所の判断】
自転車40:自動車60

【分析】
丁字路外を走行する車は、道路に目を向けるのが通常であり、歩道で区切られていることから、自転車は路外である。路外からの自転車侵入【310】 30;70とも評価されよう。

他方、歩道で区切られているが、通路がまっすぐ伸びている道路であり、歩道も縁石が切れて、道路に侵入できるようになっており、自動車優先道路交差点【246】50;50ともいえる。両者の要素が合わさった事案である。

裁判所としては、路外事案であることを重視し【310】30;70、片手運転で、ブレーキが効かずに侵入してきた点+10と評価したのではないか。

しかし、自動車にとって、40は酷な気がする。歩道がある路外から、坂道をブレーキが効かずに侵入してくる自転車の存在を予測することが可能であろうか。

【246】50:50の上、著しい過失(+10~20)として、自転車には、60、あるいは70の過失を認めるべき余地は十分あると考える。