自転車が歩道から直前右折して横断歩道に入り車と衝突
- 事故態様:(被害者)自転車 VS (加害者)自動車
歩道から横断歩道を右折横断したところ、同一方向から進行してきた加害車両と衝突し、死亡した事故 - 過失検討:被害者過失15%
(事故現場図)
(参考文献)横浜地方裁判所(令和元年10月17日判決)自保ジャーナル2062号160頁
弁護士の研究結果
- 本件は、交差点外以外における横断自転車の事故なので、【310】が当てはまり、過失割合は、30:70になります。
形式的には、横断歩道修正-15~20で、「著しい過失」直前侵入で+10~20になります。ここでは、直前右折して横断歩道侵入についてどう評価するのか問題となっています。 - 裁判所は、横断歩道上の自転車の保護と車の運転者の予測可能性のバランスから-15の判断を下し、被害者過失を15%としました。
確かに、歩行者と違い自転車は、スピードがあるし、進行方向から急に方向を変える形で横断歩道に入ってこられると車の運転者としては、不意打ちの感があります。しかし、横断歩道に入っていなくても横断歩道付近の人、自転車には注意を払うべきということが横断歩道修正の基本であり、車の運転者の義務でもあります。その観点からすれば、-15は妥当ということでしょう。