高速道路内で故障車の隣に立つ歩行者に車が衝突
- 事故態様:(被害者)歩行者 VS(加害者)車
高速道路内の事故で、故障した車を第3車線に停車させていた被害者が、路肩に佇立している際に、制限速度を大幅に超過した後続車が、減速せずに、路肩の方から、追い抜こうとした際に、路肩に立っていた歩行者と衝突した事故 - 過失検討:被害者過失20%
(事故現場図)
(参考文献)福岡地方裁判所(令和元年10月23日判決)自保ジャーナル2062号168頁
弁護士の研究結果
- 本件は、高速道路内での、駐停車車両の近傍の歩行者の事故なので、【333】に当てはまり、過失割合は40(歩行者):60(車)となります。
形式的には、加害者の速度違反を著しい過失で-10、被害車両を路肩から追い抜こうとした行為を著しい過失として-10にしたとしても20(歩行者):80(車)になります。 - 被害車両がハザードランプをつけていたことから、かなり前から被害車両の存在に気づいていたにも関わらず、減速しませんでした。被害車両を回避するには、第2車線への車線変更が最適だったにも関わらず、右側路肩から追い抜こうとしたことなど、加害者の過失が大きいことは明らかですが、被害者にも、直前事故を起こした以上、車の調子が悪くなることは予想できたにも関わらず、高速道路に乗り入れ、左側の路肩から一番遠い追い越し車線を走行していた過失があります。よって、事故の要因を作った被害者の過失を20%にしたと考えられます。