大阪地裁令和4年5月12日判決
自保ジャーナル2131号 105頁

(事案)
バイク対自動車

赤信号から青信号に変わり、バイクは直進しました。同時に交差点内で右折待機していた車両が発進し、直進バイクと衝突した事故です。片側2車線道路で、バイクは、右折車両は、右折先の第2車線に入ると思っていたところ、第1車線に入ってきたので、衝突しました。

青信号だが、右折待機車両が交差点内に残っているときの事故

(裁判所の判断)
バイク25;自動車75

(考察) 
青色信号に従った直進バイクと赤信号を右側から侵入した車両については、判例タイムズによれば、基本、交差点内の直進車同士の出会い頭衝突を基準を単車に10有利に修正するとされています。

本件では、【160】事案となり、青信号発進ですから0:100になるようにも見えます。

しかしながら、交差点で右折待ちをしている車両がある場合、その車両は、赤信号になって反対車線側からの車両の流れが止まってから右折を開始することになります。直進車両は、当然、これを予測するべきです。交差点内に停車しているのですから、容易に発見できます。

もっとも、本件は、右折車は、第2車線に入るであろうと直進バイクが思い込んだことによって発生した事故です。  右折車は、一番内側の車線に入るのが原則の様です。道交法上、交差点の内側を走行することとなっているので、必然的に、一番内側の車線である第2車線に入ることになります。第1車線に入ると交差点を斜め進行することになってしまいます。

しかし、右折車が第2車線に入りなさいという明確な規定がされているわけではなく、解釈上、現実には、右折後の進行先は第1車線であることかなり多い様です。右折先道路沿いのガソリンスタンドなど店舗に入ろうとする場合もあるでしょう。

以上の観点から、バイクも右折待機車が第1車線に入ってくることも十分予測して、相当の注意を払うべきとして、青信号であっても、バイク25 待機右折車両75にしたもと思われます。