自保ジャーナル 2018号 113頁 
東京地裁 令和3年8月2日

横断歩道手前で、横断歩道を自転車を降りて渡るべく降車した人に、後続自転車が衝突し、怪我を負わせたという事案。

(裁判所の判断) 降車した人20:追突自転車80
(考察)
自転車を降りて横断歩道を渡ろうとする行為は、道路交通法に則った行為です。
6メートル後方を走っていた自転車は、物思いにふけって、発見が遅れており、後方自転車には、大きな不注意があると思います。

ただ、前方自転車に、20パーセントもの過失を認めました。

理由は、自転車は、その構造上、ブレーキランプが無いのだから、後続者に停止を知らせる合図が必要だったというものです。

確かに、自転車も車両である以上、後続車両に対する安全配慮も必要です。信号停止ならばともかく、道路上でいきなり止まる事は、危険性を有します。

普段、自転車を運転する人は、合図などあまりする機会はないと思いますが、自転車の後続車両との事故は、しばしば、裁判所は、合図の必要性を説きます。