名古屋地裁:令和5年7月14日判決
自保ジャーナル2175 136頁

【事案】
駐車場内通路部分で先行乗用車が後退してきて、後方停止車両と衝突した事案。

先行車両は、通路内で、停止後、安全確認なく、間髪入れずに、後退を始めた事情がある。

【裁判所の判断】
後方停止車両側(原告)に25パーセントの過失を認めた。

【考察】
【336】によれば、先行車20と後方車80を基本割合とする。後方車両の方が過失割合が大きいという判断である。

駐車場内では、駐車スペースに侵入するべく、先行車の後退がいつ起こるかわからないので、十分車間距離をとるべきことが要求されているからと考えられる。

しかしながら、本判決は、先行車75 後方車25と逆の利益考量を行っている。

具体的にどのような状態であったのかは、判決文では明らかではないが、駐車スペースが直近になく、後退が駐車スペースに入れる途中の行動とは評価できなかった様な事情があるのではないか。

少なくとも、クラクションを鳴らしたりする十分な時間もあった事情はあったと思われる