一方通行の太鼓橋上でバイクと自転車が正面衝突

  • 事故態様:(被害者)自転車 VS (加害者)バイク
    夜間の太鼓橋を走行していた自転車が、対向のバイクに正面衝突された事故
  • 過失検討:自転車過失25%

(事故現場図)

(参考文献)大阪地方裁判所(令和2年3月2日判決)自保ジャーナル2072号154頁

弁護士の研究結果

  1. 本件は、自転車とバイクの事故ですが、このような類型は判例タイムズには記載されていません。では、どのようにして自転車に25%の過失が認められたのでしょうか。
  2. 本件事故は、見通しのきかない太鼓橋というのが一つのポイントだと思います。バイクは、一方通行だから、右側走行可能といっても、あくまで自転車を除く一方通行です。ですから、正面から、左側通行してくる自転車と正面衝突の可能性が十分にあります。
    道交法は、場所、場面に応じ、他人に危害を及ぼさない方法で走行しなくてはなりません。見通しのきかない太鼓橋なので、バイクは、本来、徐行で左側を通行するべきでした。
    他方、自転車も同様に、場所、場面に応じて、運転の方法を考えなくてはなりません。夜間ですし、太鼓橋だと、自転車の速度は著しく落ちます。ダイナモ式ライトでしたので、光量はかなり減ります。そして、本件は、どうも自転車が太鼓橋を登り切れなくて、途中で自転車を降りたようです。これでは、対向から来るバイクに気づかれがたいです。対向が見えにくい太鼓橋で、そんな危険なふらふらとした走行をするならば、横に歩道があるので、はじめからそこを通るべきだったとして、自転車に25%の過失を認めたのでしょう。