踏切停車中に後続車に追突された玉突事故
- 事故態様:(被害者)自動車 VS (加害者)自動車
被害車両が踏切停車(渋滞)中に加害車両から追突され、これに驚いて誤ってアクセルを踏み込んだために前に停車していた車両にさらに追突した変則玉突き事故 - 過失検討:場面①0%,場面②90%
(事故現場図)
(参考文献)東京地方裁判所(平成30年12月4日判決)自保ジャーナル2044号134頁
弁護士の研究結果
通常、玉突き事故は、加害車両の100%過失が認められるところ、本件では逆に被害者も90%過失を認めている点に特殊性がある。
これを理解するには、状況を整理する必要がある。
- まず加害者によって被害者が追突され(①の場面)
- その後、被害者が驚いてアクセルを踏み込んでさらに追突した(②の場面)
「被害者固有の過失」という2つの場面に整理できる。
①について被害者は完全被害者であるが、②の場面ではアクセルを踏み込むという過失があって、被害者であるとともに加害者にもなってしまっている。そうすると、②の場面では被害者がさらに追突した100%過失となり得るが、そのきっかけが加害者の追突で驚いたという点を踏まえ、-10%修正して、90%過失とした。