高速道路のカーブでのあおり運転に対する自損事故
- 事故態様:(被害者)自動車 VS (加害者)自動車
高速道路上のカーブで、先行車が第2車線右側の壁に衝突したあと、第1車線まで、跳ね返った自損事故(第1事故)を避けるため、後続車が急ハンドルを切って、第1車線走行中の車に衝突した事故 - 過失検討:後続車過失40%
(事故現場図)
(参考文献)東京地方裁判所(平成30年12月20日判決)自保ジャーナル2042号143頁
弁護士の研究結果
- 本件は、高速道路上のカーブで、先行車が第2車線右側の壁に衝突したあと、第1車線まで、跳ね返った自損事故(第1事故)を避けるため、後続車が急ハンドルを切って、第1車線走行中の車に衝突した事故である。
- これについて、判タでは、このような類型は掲載されていない。
本件では、後続車(高級スポーツカー)がスピードを出して、相当車間距離を縮めてきたことから、先行車がアクセルを目一杯踏んだことが第1事故の契機となっている。 - 先行車に気の毒な側面はあるが、裁判所は、後続車が車間距離を詰めたからといって、アクセル全開にしたことは、「一層危険を増す行為」としてこれを糾弾した。他方、猛スピードで接近し、運転していた後続車にも40%の過失を認めた。単なる車間距離が少ないレベルでは、もう少し、後続車の過失は少ないだろうが、あおり行為に類似するスポーツカーの接近行為に強い接近行為に強い戒めを与えたものといえる。