駐車場内での後退車と前進車の衝突事故

  • 事故態様:(被害者)自動車 VS (加害者)自動車
    駐車場内で、駐車スペースから後退発進しようとした加害車両と、駐車スペースに前進しながら入ろうとした被害車両が衝突した事故
  • 過失検討:被害者過失30%

(事故現場図)

(参考文献)横浜地方裁判所(平成30年11月21日判決)自保ジャーナル2039号139頁

弁護士の研究結果

  1. 本件の類型は、判例タイムズでは想定されていない。
  2. 一般に、駐車場内は、前進・後退・右折・左折等の小刻みなハンドル操作を行うことが想定される場所であり、お互いに相当な注意義務が課されている。
    これに対して、駐車スペースから出ようとする場合には、停止している段階から話が進むため、通路を走行している車両よりも容易に安全確保することが可能である。
    このため、駐車スペースから出る側(加害者側)の方が過失が多く認定される傾向にある。他方、本件被害者も、駐車スペースから車が出てくるのを確認しながら敢えて駐車しようとしている点に不注意があったとして30%の過失を認めたものと思われる。