あおり運転に対し故意にブレーキを踏んだ事故
- 事故態様:(被害者)自動車 VS (加害者)自動車
片側2車線道路で第一車線を走行していた被追突車が、合図なく車線変更をした際に、後続直進していた追突車が、車線変更に立腹して急加速によるあおり運転で注意したことで、被追突車もそれに立腹して故意に急ブレーキをかけ、衝突した事故 - 過失検討:被追突側過失60%
(事故現場図)
(参考文献)横浜地方裁判所(平成30年12月26日判決)自保ジャーナル2042号88頁
弁護士の研究結果
- 形式的に判例タイムズ【154】を当てはめると、基本70(追突車):30(被追突車)に対して、幹線道路修正-10、急制動を「重過失」としても-20とし、40(追突車):60(被追突車)ということが言えるだろう。
- 合図なしの車線変更(判例文では、この行為の悪質度合いは不明)車に対し追突を覚悟のあおり運転した追突車もさることながら、それに対して衝突の危険も顧みず、急ブレーキを踏んだ被追突車、どちらも未必の故意も疑われる(実際この点審理されているが立証に至らず)加害者的要素を有する事案である。
喧嘩両成敗の観点からは、どっちもどっちと50:50にしても良さそうである。しかし、裁判所は、先に直接的危険性を有する「理由のない急制動」を行った側を+10とし、60:40とした。
喧嘩は、口だけならまだしも、先に手を出した方がより悪いとの判断だろう。