赤信号で急制動の原付に後続の原付が追突

  • 事故態様:(被害者)原付 VS (加害者)原付
    原付が走行中に赤信号で急制動したため、後続の原付に追突された事故
  • 過失検討:被追突車過失0%

(事故現場図)

(参考文献)京都地方裁判所(令和2年4月13日判決)自保ジャーナル2073号77頁

弁護士の研究結果

  1. バイク同士の追突事故なので、車同士の追突事故である、【154】をあてはめ 基本割合は30(被追突車):70(追突車)になります。
    ここで問題となるのは、過失割合ではなく、被追突原付の急制動が、道路交通法違反になるかどうかです。もし、違反になるのなら、【154】をそのまま当てはめれますが、そうでなければ、ただの追突事故になり、被追突原付の過失は0%になります。
  2. その観点からすると、理由のある急制動かどうかで、過失割合は変わってきます。
    追突事案ですから、まず、車間距離が十分でなかったことが推測されます。
    追突側が100%悪いというのが大原則です。理由のない急制動であることは、修正要素です。本件では、先行車が急制動を理由に急制動したので、一応理由が成り立ちます。でも、本当は、先行車の急制動はなく、単に見落としていて急制動の結果になったのかもしれません。理由のない急制動の立証は、実際は、極めて難しいのが現状です。ドライブレコーダーがあっても、判明不明なことが多いでしょう。
    裁判所は、不明な場合は、原則論に戻ります。ですから0:100になるのです。