右折待機車の後続車が先に右折して、対向直進バイクに衝突
- 事故態様:(被害者)バイク VS (加害者)車
青信号交差点をバイクが走行中に、対向車線から右折してきた加害車両に衝突された事故 - 過失検討:バイク過失5%
(事故現場図)
(参考文献)名古屋地方裁判所(令和2年2月12日〉自保ジャーナル2073号42頁
弁護士の研究結果
- 青信号交差点での、右折車とバイクの事故なので、【175】が当てはまり、基本割合は、15(バイク):85(右折車)になります。
形式的には、右折車が先行の右折待機車を追い抜いての右折を著しい過失として-10で、5(バイク):95(右折車)になります。 - 実質的には、加害者である右折車の前には、訴外右折待機車が待機しており、右折車は、それを右から追い抜いて右折した過失があります。このとき、被害者のバイクから見ると、加害右折車は訴外右折待機車の陰に隠れていて、右折が完了するまでは、右折車の存在を認識することが非常に困難だったと思われます。しかし、予見が困難だったとはいえ、不可能ではなかったので、バイクには、最小限の5%の過失が認められたのでしょう。
判例分だけでは、具体的な道路状況はわかりませんが、停車している車両以外に右折してくる車があるコトが予想される状況であることが必要と思われます。本件は、3車線あるような大きな道路なので、右折可能車線が2車線あって、右折先に道路も少なくとも片側2車線あったのではないでしょうか。右折専用車線が1車線の場合、このような追い抜きで右折するとバイクは発見できません。私見ですが、相当なスピードを出している等の過失がない限り、たとえ5%でもバイクに過失を認めるのは酷だと思います。