危険な追い越しをしていたバイクが非接触転倒し轢過され死亡
- 事故態様:(被害者)バイク VS (加害者)車
片側2車線道路の第1車線を走行していたバイクが、第2車線を走行していた加害者を追い越し中に、非接触・転倒して加害者に轢かれ、死亡した事故 - 過失検討:バイク過失100%
(事故現場図)
(参考文献)大阪地方裁判所(令和2年3月26日判決)自保ジャーナル2072号135頁
弁護士の研究結果
- 本件は、バイクの追い越しの際の事故なので、【224】が当てはまり、過失割合は、70(バイク):30(車)になります。
形式的には、追い越し危険場所で+5、バイクの重過失で+10としても、15%足りません。では、残りの15%はどこから来たのでしょうか。 - 実質的には、バイクの運転車の死亡事故ですので、バイクの転倒原因は不明です。転倒後、トラックの後輪にひかれているのですが、想像がつきにくい事故だと思います。ただ、トラックのすり抜け後、さらにトラックを第1車線から追い抜こうとしましたが、第1車線の先行車Bとトラックの幅が、トラックのスピードが出ていたことにより、思った以上に急速に狭まり、急制動の結果、バイクはそのまま、トラックの方向に向かう形で転倒し、トラックの後輪にひかれたということが予想されます。
いずれにしろ、事故の原因は、バイクの危険なすり抜け行為にあり、トラックの予見、結果回避可能性は認められない事案です。すり抜け行為を容易にする義務は、トラックにはありません。トラックに過失が認められないという判断は当然です。