合図なしで車線変更し急停車したタクシーとバイクの事故

  • 事故態様:(被害者)バイク VS (加害者)タクシー
    片側1車線道路を走行していたタクシーが乗客を乗せようと指示器を出さずに左に寄りながら急停車したことで、後続のバイクが非接触ながら転倒した事故
  • 過失検討:被害者過失30%

(事故現場図)

(参考文献)神戸地方裁判所(平成31年1月24日判決)自保ジャーナル2047号144頁

弁護士の研究結果

  1. 本件は、進路変更による事故ですが、追突事故とも重なる部分が多いので、進路変更の【225】を基本にして考えて、修正要素に【227】の要素を取り入れていきたいと思います。【225】に当てはめると、20(バイク):80(タクシー)になります。
    形式的には、合図なしの進路変更で-20、車間距離をとっていなかったことを著しい過失として+10、タクシーが停車することが予見できたことから、それを重過失として+20とし、30(バイク):70(タクシー)になります。
  2. 加害者は、合図なしで進路変更し、後方のバイクの速度を確認せずに急停車した過失があります。他方、被害者は、タクシーなら、乗客がいる場合、停車することが予見可能であったことから、十分な車間距離をとる必要がありました。また、被害者が転倒した場所がタクシーから10mほど離れた場所だったことから、バイクの過失は小さくはないと判断し、20%より少し大きい30%の過失にしたのでしょう。