路外へ左折進入する際に歩道を走行中の自転車が非接触転倒
- 事故態様:(被害者)自転車 VS (加害者)車
自転車が右側の歩道を走行中に、対向の車道から、車が路外駐車場へ左折進入してきて、非接触ながら転倒した事故 - 過失検討:自転車過失20%
(事故現場図)
(参考文献)名古屋地方裁判所(令和2年2月13日判決)自保ジャーナル2075号25頁
弁護士の研究結果
- 本件は、自転車と路外左折車の事故ですが、判タにはそのような類型は記載されていません。なので、それに近い左折車と直進自転車の衝突である【291】を当てはめ、基本割合は、15(自転車):85(左折車)になります。
形式的には、自転車の速度違反の著しい過失(+5)で、20(自転車):80(左折車)にしました。 - 実質的には、加害者の左折車は減速して、左の合図を出してから左折していたにも関わらず、被害者の自転車は、車が左折してから急ブレーキをかけたため、転倒したので、被害者側には、前方不注視の過失があります。また、自転車は、右側歩道を通行しており、本件の場合、右側を走行しなければならない理由がないので、その点でも過失があります。また、自転車は、時速25km以上の速度で走行しており、この点にも過失があります。他方で、左折車には、自転車の速度を見誤って、左折を開始したことに過失があります。総合的に見ると、車の過失よりも、自転車の過失の方が大きいと思うので、基本割合よりも自転車の方が大きい、20%になったのでしょう。