一方通行道路で、自転車と貨物車がすれ違う際に接触(後に非接触と認定)
- 事故態様:(被害者)自転車 VS (加害者)車
一方通行道路を自転車が進行中に、対向貨物車の右ミラーに接触(後に非接触と認定)され、転倒した事故 - 過失検討:双方過失50%
(事故現場図)
(参考文献)東京地方裁判所(令和2年3月2日判決)自保ジャーナル2075号138頁
弁護士の研究結果
- 本件は、自転車の右側通行中の事故なので、【303】が当てはまり、基本割合は、20(自転車):80(貨物車)になります。
形式的には、自転車の傘掛け運転の著しい過失(+10)、自転車が回避行動をとらなかった重過失(+20)で、50(自転車):50(貨物車)にしました。 - 実質的には、貨物車は、被害者である自転車の存在に気づいていなかったことから、前方不注視の過失があります。もし、自転車の存在に気づいていれば、自転車が通り過ぎるのを待ったり、車間距離をあける等、対処法があったと思います。その点では、貨物車の過失は大きいと思います。
他方で、自転車にも、同様の過失があると思います。貨物車が前方から迫っていて、そのまま直進したら危ないことを認識していながら、貨物車が避けてくれると過信しての走行は非常に危険です。また、自転車は、事故当時、前輪に巻き込まれるような位置に傘を引っかけており、それが原因で転倒につながったと考えられることから、被害者の自転車にも相当な過失があると思います。よって、双方に50%の過失が認められたと思います。