横断歩道外の道路を斜め横断していた自転車と反対車線直進車の衝突事故

  • 事故態様:(被害者)自転車 VS (加害者)自動車
    道路脇を走っていた被害者自転車が、道路を横切るような形で反対側の歩道に入ろうとしたところ衝突した事故
  • 過失検討:被害者過失30%

(事故現場図)

(参考文献)東京地方裁判所(平成30年3月29日判決)自保ジャーナル2025号1頁

弁護士の研究結果

  1. 本件は、自転車が路外から道路へ進入しているような事故なので、類型【300】が妥当するようにも思えます。そうすると、基本40:60、これに児童修正-10を加えて、30:70と結論づけたという理解もできます。
  2. 一方、自転車は路側帯を走っていました。道交法は、歩道と路側帯を併せて歩道等と規定し、路側帯は歩道に準じるので(同法17条1項)、この裁判例は端的に「自転車が道路を横断した事故」と評価し、類型【310】を適用したのだと思います(基本30:70)。
  3. 被害者は8歳なので「児童等」として-10修正したのに対して、横断開始から衝突まで1,2秒の出来事だったので被害者に「直前直後横断」として+10修正して、被害者の過失30としたのでしょう。
  4. 事故現場付近には横断歩道があったことから、衝突地点からの距離は不明ですが、もし、横断歩道上又はすぐ横の事故だったら、被害者の過失-15~20され、10:90という判断もあり得る事故だったと思います。