トイチ(10日で1割)など、法外な金利をとっていたヤミ金はかなり減りました。しかし、法定利率を取るソフトヤミ金が現れるなどし、相変わらずヤミ金を利用して、窮地に陥っている人は、いっぱいいます。そんな人をターゲットにヤミ金専門と謳う司法書士がネットに溢れています。

ヤミ金は、もともと、厄介で、弁護士が入っても、解決に至らないケースが多いのが実情です。既に、十分利益を出したヤミ金は、弁護士介入によって、それ以上やっても時間の無駄と諦めるところもありますが、元金が回収できていなかったりしたケースなどは、なかなか諦めてくだれません。そもそも相手は、どこのどいつか分かりません。払うまで、職場に取り立て電話するなど、各種の嫌がらせをしてきます。お金を貸したことは恐喝の手段なのです。なかなか、弁護士が責任を以て対応することが不可能なのです。

先日、当事務所が破産について受任した方がいます。話を伺うと、借金の挙げ句、ヤミ金に手を出してどうしようも無くなったというよくある話なのですが、一番、困った対応をしてくるのが、ヤミ金解決を依頼した司法書士という内容でした。ヤミ金対応報酬、一件当たり4万~6万円するそうです。確かに、間に入ってもらって取り立ての連絡がなくなったものもあるが、結局、ヤミ金の金額そのまま(ヤミ金は、小口の3万~5万円のケースがほとんど)払う事になったのに、費用だけは4万円請求された。その報酬払うために、またヤミ金を利用したという落語みたいなお話です。司法書士事務所、費用が40万円位になり、ヤクザの様な職員が、頻繁に、未払い分を請求してきて、遅れると「詐欺だ、刑事告訴する」等脅してくるそうです。

元々、ヤミ金対応だけで借金地獄から抜け出せる様な方では無く、ヤミ金を片付けても焼け石に水の様なケースです。3,4万のヤミ金に成功しようとしまいと4万円の費用を取り、厳しい取り立てをする。経済的合理性がありません。まさしく、気の弱い経済的弱者を食い物にする輩で、ヤミ金と大差ありません。

当事務所が法テラスでの対応をすることになったのですが、法テラスでは、総額15万円程度、そして、法テラスへの支払いは、毎月5000円~1万円程度です。その方は、専門の司法書士ということで全面的に信頼していたのに、こんな方法があったのかとがっくりされていました。

このような司法書士は、おそらく、非合法な輩に乗っ取られているのだと思います。司法書士が司法書士事務所を経営しているのではなく、悪徳非弁業者が弱みを握っている司法書士を利用しているのです。

ネットは要注意。困ったら、生身の弁護士や司法書士と会えるところへ相談に行って下さい。