自保ジャーナル 2111号 63頁 東京地裁令和3年10月15日判決
【311】「高速道路の料金所通過後の合流部分(車線減)でのウィンカーの要否」

  • 高速道路料金所5レーンあって、左3レーンは、料金所通過後本線に戻るには、車線変更が必要なところ、左3レーンの車両の衝突事故。先にX車両とZ車両が衝突し、その後、その衝撃でV車両に衝突しました。XもV車もウィンカー出していませんでした。

考察(X60 Z40 V0)

高速道路料金所付近は、料金所通過ゲートの関係上、かなりの幅で車線変更がなされる危険地帯です。今回のケースは、料金所を通過した後の合流地点の事故。本線から外れたゲートを利用した場合、ゲート通過後直進すれば、壁に突き当たりますので、進路変更は当たり前。合図を出さすに、加速している車を多く見ます。しかしながら、後方車両に注意を促す意味でも指示器を出す必要は当然あると裁判所は示しています。このまま進むと突き当たるのだから、後の車も進路変更するのを当然分かっているだろうと指示器を出さないでいることは大きな過失となります。勿論、後続車も、当然、進路変更が予想されるので、前方車両の進路変更を予想しなければなりません。

割り込みに意地悪する後続車両にも問題あるとして、後続車に40%もの過失を認めています。お互い譲り合いの精神が大切です。

今回V車も指示器を出していませんでしたが、事故が、第1事故(XとZ)からのもらい事故(跳ね飛ばされたX車両との事故)だったので、指示器の有無は、因果関係を形成していないとして、V車は、ゼロ過失となりました。